| 2006年12月定例会
鈴木とも子議員の議案・請願の審査結果に対する
反対討論
(2006年12月21日 本会議)
私は日本共産党県議員団を代表して、定県第97号議案ほか18の議案に反対し、請願第84号ほか14の請願に対する所管常任委員会の審査結果に反対する討論を行ないます。
十分な議論もせず、在任期数を条例で制定する必要はどこに?
まず定県第97号議案、神奈川県知事の在任の期数に関する条例についてです。
この議案は、神奈川県知事の任期を、3期を超えて在任することができないとするものです。2005年12月定例会に提案された条例案は対象が、現在の知事にだけ適用するとしていました。しかし今回の条例案は今後の神奈川県知事にかかわるものとなっており、十分な議論が必要です。立候補の自由は、重要な基本的人権の一つであり、最高裁判所の判決でも、「被選挙権を有し、選挙に立候補しようとする者がその立候補について不当な制約を受けるようなことがあれば、そのことはひいては選挙人の自由な意思の表明を阻害することになり、自由かつ公正な選挙の本旨に反することとならざるを得ない」との判断をしています。知事は提案説明で多選の弊害と述べていますが、和歌山県知事は2000年9月に初当選し2期目で、談合事件で引責辞任しました。そして宮崎県知事は2003年7月に初当選し1期目での官製談合事件で辞職しました。このことは知事の在任の期数が問題なのではなく、知事職にある者の資質の問題であることを物語っています。また官製談合が続発する背景には業界の利益に便宜を与え、わいろを手にするということがあり、この体質を改めることが求められています。そして企業と政治家の癒着を断ち切るためにはそのおおもとにある企業・団体献金をきっぱり禁止することが必要です。さらに議会がしっかりとチェック機能を果たすことも求められています。
大和市の土屋市長が新聞への投稿の中で「執行権のある首長になってもなお資金集めパーティーを開催する首長は、早くも一期目ですでに癒着や汚職、わいろなどを排除する強い自己規制に自信がないから条例で規制してもらいたいのであろう」と書いていますがこういわれるのは「インベスト神奈川」で大企業支援をしているのを見ればうなずけるものです。
日本共産党県議団は県民の願いを積極的に受け止めその実現のためにがんばっている知事ならば、知事として県民の選択によって3期を超えても問題はないと考えます。マニフェストの実現率を高めるねらいもある条例制定を認めることはできません。
認定子ども園の条例は、子育て支援と保育水準の向上につながるものにすべき
次に定県第99号議案「認定こども園の認定基準条例」についてです。
現在首都圏を中心に保育所不足は、深刻な実態になっています。しかし政府は、保育所の増設と保育条件の改善で待機児童の解消を図るのではなく、保育所の定員外入所の拡大と設置基準の緩和による民間企業開放をすすめ、応能負担と公的な責任で行ってきたこれまでの保育制度を解体しようとしています。
このような規制緩和の中で、神奈川県が策定する認定子ども園の条例は、神奈川の子育て支援と保育水準の向上につながるものにすべきです。
ところが施設整備では食事の外部搬入や、建物と隣接しない場所の園庭が認められるなど、保育園や幼稚園の認可基準を下回るものとなっています。また、家計の所得が低い保育に欠ける子どもが、排除されることのないような条例にすることが必要です。
国は、国の示すガイドラインを上回る条例をつくることも可能であるとしています。ですから、県の条例では、保育に欠ける子の保育がどの子にも保障され、経済的な理由での排除が起こされないためにも、市町村が入所児童の選考に関与でき、市町村の保育料と同額になることを義務づけるなど保育の実施者である市町村が保育に欠けるこの保育を保障できる条項を入れるべきです。
今回の条例提案には、教育及び保育の水準向上の点でも、安心できる子育て支援策としても問題であり、認めることはできません。
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私学助成や障害児教育の充実、少人数学級の実施、医療費助成の拡充を求める請願は採択すべき
次に請願についてです。
請願第90号、第91号、第92号は私立学校と私立幼稚園への助成拡充と少人数学級実現を求めるもので、今年度最大規模の70万筆の署名を添えて提出されたものです。私立学校における学費滞納調査で、3ヶ月以上滞納している生徒が約900人もいるということです。学費などを高校生が自分でアルバイトをしてまかない、クラブ活動もできない生徒が増えているということです。神奈川県の私学助成は、生徒一人当たりにすると全国平均を下回っています。こどもたちが私立高校進学を選択し、通い続けることができるようにするには、学費の直接補助や私学助成の拡充をさらに進めるべきです。また、施設整備補助制度を復活させ、老朽化した私立学校校舎の改築や耐震工事の推進を図るべきです。
神奈川県では小学校1・2年生で35人以下学級が研究指定で行われていますが、その教育現場や保護者からは学習面でも生活面でも教育的効果は絶大と賞賛されています。父母県民の願いに応えて少人数学級に県として足を踏み出すべきです。
幼稚園児一人当たりの私学助成は、神奈川県は全国最低で全国平均より3万4千円も低いという実態です。こどもを2人幼稚園に入れると月6万円もの負担になります。次世代育成というならば、県として直接補助制度に踏み切るべきです
また、請願第95号は今年春に起きた高校入試で、全国最低水準の全日制高校進学率となったことに対して、来年春の入試で公立中学校卒業生の進路希望をかなえるための緊急の措置を求めるものです。松沢県政下の2004年春の入試から定時制での大量の不合格者を出していますが、これは放置できない社会問題です。来年春の入試でも今の公立高校の入学定員のままでは、これまでの入試での混乱が繰り返され、多くのこどもの15の春を泣かせることになります。来年春の入試では、公立の定員枠を拡大するなど緊急措置が必要でありこの請願は採択すべきです。
請願第89号はゆきとどいた神奈川の障害児教育を求めるものです。今、県立養護学校では、生徒増で一校当たりの定員を大幅に超えており、教育環境の悪化が深刻な状況になっています。この請願は、この過大規模化を解消するための県立養護学校の新設計画の策定を求めると共に、医療ケアが必要な子どもへの医療スタッフの充実、不足しているスクールバスの増車を求めています。養護学校卒業後の進路保障をするために地域作業所やグループホームなどへの支援制度拡充等の現在必要とされる施策の拡充を求めているもので採択すべきです。
また、請願第96号は、重度障害者、ひとり親、小児の各医療費助成制度に対して一部負担金導入等の改悪をやめ、制度拡充を求めるものです。理想とする人数の子どもを生めない最大の理由は、経済的負担が大きいとしている県の調査からも、子育て世代の経済的負担を軽減する子育て支援策は重要です。その中で、県の医療費助成制度は、子どもたちの健康を守り、重度障害者の2次障害を軽減する上でもなくてはならない制度で、更なる拡充が求められています。このような中、この医療費助成制度に、有料化の導入をしようとしていることは重大な制度改悪につながるもので、県民が反対するのは当然です。よってこの請願は採択すべきです。
以上主な理由を述べ、定県第97号議案ほか18の議案に反対し、請願第84号ほか14の請願に対する所管常任委員会の審査結果に反対する討論を終わります。
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