日本共産党神奈川県議団
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県議会での取り組み2006年9月議会みわ智恵美議員の一般質問と知事等の答弁
県議会での取り組み

2006年9月定例会

みわ智恵美議員の一般質問と知事等の答弁

2006年9月25日 本会議

原子力空母の横須賀配備について

安全性に関する調査や検証を県独自に行ったのか

みわ議員
 最後に、原子力空母の横須賀配備についてです。
 知事は8月16日、「空母キティホーク後継艦に関する県の見解」を発表し、「原子力空母への交替はやむを得ない」としましたが、「見解」では、「ファクトシート以降、政府、米側への要望や、やりとりを通じ、県民の安全安心に関する政府の確信や今後の対応についての前向きな姿勢、空母艦載機移駐などの厚木基地の騒音問題解決に向けた政府の取組み姿勢は確認できた」ことを、原子力空母配備を容認する理由としています。また政府は、米軍の提出したファクトシートにもとづいて、「最前線に配備される軍艦の特性に対応した耐性を備えている」とか、「軍事機密の関係から一般には公開されない技術情報も踏まえた審査が、米国の独立した委員会、原子力関係の委員会で行われており、安全性は高く評価されている」としています。知事は、日本の原子力安全委員会に諮問もしていないファクトシートについて「評価する」とする政府の説明だけで、「前向きな姿勢が確認できた」などとして原子力空母の受け入れを容認しています。
 県独自に専門家も含めた科学的な安全性に関する調査や検証はしたのでしょうか。知事の見解を伺います。

松沢知事
 次に、基地問題についてのお尋ねがございました。
 はじめに、原子力空母について、県独自に科学的な安全性の調査や検証は行ったのかとのお尋ねでございます。原子炉の構造など、原子力空母の安全性そのものにつきましては、軍事機密等の関係から県独自で科学的に調査・検証することは困難でございます。県といたしましては、本年4月にいわゆるファクトシートが示されて以降、原子力艦の安全性について、原子炉の構造等の安全性、安全運行の確認、万々一に備えた十分な災害対策の実施、安心で切るわかりやすい説明がなされること、この4点について検討をしてまいりました。具体的にはファクトシートの内容や、6月12日の国からの回答を県として精査し、政府・米側に要望し、交渉するなど取組みを進めてきたところでございます。そうした中で、外務省だけではなく、原子力行政を所管する文部科学省等も含めた政府としての見解が示され、一般には公表されていない技術情報も踏まえた審査が米国の独立した原子力関係の委員会で行われており、その安全性は高く評価されていること、最前線に配備される軍艦の特性に対応した体制を整えていること、実体として約5,000人もの乗組員が常時、原子炉の至近で生活していることなど、安全性に対する政府の見解や防災対策等に関する今後の前向きな姿勢が示されたことを踏まえ、県としての見解を示したところでございます。県といたしましては、原子力空母に関し、市民・県民の安全安心を確保することは最重要課題でございますので、安全運行確認体制や防災対策の確実な実施など、米側や国による安全対策の確実な実施を今後とも求めていきたいと考えております。

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政府の試算と食い違うファクトシートをうのみにした原子力空母受け入れ

みわ議員
 万が一の応急対応範囲についてファクトシートでは、「極めて慎重な分析の結果、在日米軍基地内に十分とどまる」とされています。一方で知事は、「政府の説明でも、文書にはなっていないが応急対応を行う範囲が半径3km以内であると確認できた」としています。原子力安全委員会が示している応急対応範囲が3kmというのは、横須賀中央駅や市役所をはじめ、横須賀市の中心市街地や繁華街のほとんどがその範囲にふくまれます。原子力安全委員会の資料によれば、緊急避難や屋内退避が必要な範囲に居住する市民は、8万5000人にのぼるとしています。しかし、ファクトシートが示している「米軍基地内に十分とどまる」は、空母専用バースから基地正門までの、直線距離にしてわずか1.1kmしかありません。
 米軍が提出した「基地内にとどまる」とするファクトシートと、原子力安全委員会も了承している政府の試算による「3km」とは明らかに食い違いがあります。このことは、ファクトシートの信頼性を疑わせるものであるにもかかわらず、「安全性確保を確信している」との政府の見解を、受け入れることはできないと考えますが、知事の見解を伺います。

松沢知事
  次に、万々一の被害の想定範囲の被害の想定範囲が、ファクトシートと政府の説明とで食い違っていることから政府の見解を受け入れることはできないのではないかとのお尋ねでございます。議員のお話の通り、屋内退避等の防護対策が必要となる範囲は、米国は極めて慎重な分析の結果、在日米軍基地内に十分止まる範囲に限定されるとしております。一方で、日本政府としての応急対策の範囲が明確ではありませんでしたので、7月14日の県の空母キティホーク後継艦に関する要望の中で、日本政府として万々一の事故を想定し応急対策の範囲を設定することを求めたところでございます。これに対し8月4日に、政府として対応を行うべき範囲の上限は、原子力空母の場合、反省3km以内であること、また、この範囲は原子力安全委員会で了承されており、十分に安全に余裕をもって計算されたものであることなどの回答があったところであり、政府見解と米側の表明は矛盾していないものと考えております。事故は起こってはならないことでありますが、日本政府として応急対応の範囲を明確にしたことや、応急対策の内容についても今後具体的につめていくとしたことなど、万々一の事故に備えた十分な対策を構築していくという姿勢は評価できるとしたところでございます。

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原子力空母の容認姿勢を撤回すべき

みわ議員
 知事は8月16日の定例記者会見で、「最大限の安全性確保に向けて、県ができるすべての努力はやったのではないか」と述べました。また、6月定例会で我が党の河野議員の質問に対し、知事は、「広域自治体としての立場から、横須賀市周辺の市町や空母艦載機の本拠地である厚木基地関係市の意向を把握することも必要と考え」「今後、関係市町のお考えなども踏まえ、県としての対応を総合的に検討してまいりたい」と答弁していました。しかし、県の意向聴取というのは、国からの資料の提供とそれに対する意見を聞いただけで、原子力空母の配備についてどう思うかとの意見聴取はしておりません。これでは周辺自治体の意向を聞いたことにならないと考えます。知事は、米側の提出したファクトシートや外務省の回答で確約もしない不明確な点が多々あるにもかかわらず、それを鵜呑みにして、国どうしが決めたことだから地元がいくら反対しようとムダといわんばかりに容認するのは、憲法の規定する地方自治や地方分権の理念に反し、民主主義を否定するものと言わざるを得ません。
 そこで知事に伺います。周辺自治体からは、反対の意見は全くなかったのでしょうか。また、「基地の整理・縮小・返還の促進」を県是とする神奈川県の知事として、県民の安全安心を確保するため、結果として国が強引に押し付けようとも、最後まで反対の姿勢を貫くことこそが政治姿勢として必要であり、容認の姿勢を撤回すべきと考えますが、知事の見解を伺い、私の1回目の質問を終わります。

松沢知事
 最後に、周辺自治体に反対の意見はなかったのか。また、容認の姿勢を撤回すべきではないかとのお尋ねでございます。
 まず、周辺自治体の意見についてでございますが、関係市町からは安全性の確保に万全を期すことや、情報の共通についてのご意見を多くいただきましたので、国への要望と県としての取組みに反映させていただいたところでございます。県の考えについては、概ねご理解をいただいているものと考えておりますので、今後とも関係市町と情報を共有し、必要に応じて対応を図ってまいりたいと考えております。
 次に、容認の姿勢を撤回についてでございますが、本県といたしましては、これまでも基地の整理・縮小・返還の促進を基本として、地元負担の軽減をめざして基地問題に取り組んできたところであり、今後のこの考えには変わりありません。一方、日米安保体制による抑止力の重要性も強く認識しているところでございます。こうした中、国の専管事項として日米両国政府が空母の交代に向けて取組みをすすめており、県として県民の安全安心を確保、確認することも県に課せられた重要な使命であるとの考えから、政府・米側へ要望・交渉するなど取組みを進めてきたところであります。その結果、安全運行確認体制、防災対策等の確実な実施と空母艦載機移駐の確実な履行を条件として、今回の原子力空母への交代はやむを得ないと判断したものでございます。本県といたしましては、わが国の安全保障環境が厳しさを増す中で、基地の整理・縮小・返還は、一朝一夕に実現できることではありませんが、引き続き県是として全力で取り組むとともに、周辺住民の良好な生活環境の確保を図るため、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
私からの答弁は以上であります。

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