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県議会での取り組み2006年9月議会>かわの幸司議員の議案・請願に対する反対討論
県議会での取り組み

2006年9月定例会

かわの幸司議員の議案・請願に対する反対討論

(10月6日 本会議)

日本共産党県会議員団を代表して、定県第75号議案ほか1つの議案、並びに請願第84号ほか3つの請願に対する所管常任委員会の審査結果に反対する討論を行ないます。

全国でも突出しているインベスト神奈川の助成金額

 定県第75号議案、平成18年度神奈川県一般会計補正予算には、インベスト神奈川・施設整備等助成制度に対して120億円の債務負担行為の追加が含まれていますが、この追加は、次の5つの理由により認めることはできません。
 第1は、インベスト神奈川・施設整備等助成制度が、日産自動車に116億円、富士写真フイルムに69億円など大企業に484億円も助成金だすことになっていることです。中小企業には32億円の助成金ですから、大企業に約94%、中小企業に約6%の割合になります。大企業に多額の助成金を出すことに対して、多くの県民から厳しい批判の声が出ています。全国で10億円以上の助成金を出す企業誘致施策が33道府県で行なわれていますが、その中で、助成見込額の多いところでも、兵庫県が104億5900万円、三重県が90億円となっており、神奈川県の516億円の助成見込額は飛び抜けて多い金額となっています。その上の大企業への多額の助成金は、これまでの中小企業支援を中心とした県の産業政策を根本的に変えるもので、容認できません。

インベスト創設前から計画されていた建設へも助成

 第2は、この制度が策定された2004年10月以前に、土地を購入済みであったり、また、研究所などの建設が明確であった投資にまで助成金が出されることです。
 例えば日産自動車の研究所と本社の建設です。日産自動車は2003年3月に厚木市森の里の旧青山学院大学跡地、13万1200平方bを購入しました。そして、日産自動車は、2003年7月6日、神奈川県知事に対して厚木市森の里に新しい研究所、日産アドバンスト・テクノロジセンター、NATCを建設するために「環境影響予測評価書」を提出し、2004年6月2日に答申されています。知事は、「環境アセスを終了した後でも、工事に入っていないところもある」と、議会で答弁しています。しかし、この環境影響予測評価書は、資料編を合わせると464ページにも及ぶもので、研究所を森の里に建設する理由として4つあげています。その中で、先行技術開発に主眼をおいた研究施設が必要になったが、「日産テクノロジセンター、NTCでは研究開発業務における事務所機能が、現状においても手狭(てぜま)の状況で、同敷地内での施設整備が難しかった」とし、「森の里地区は、NTCから約2kmの距離にあることから、NTCとの緊密な連携が可能であり、技術力強化を図るための施設の立地に適した地区と考えられる」としています。環境影響予測評価書は、日産自動車による森の里の青山学院大学跡地の購入が、NTCと連携して新しい研究所建設が目的であったこと、また、「環境アセスを終了しても工事にとりかからない」状況では全くなかったことを明確に示しています。 
 また、2004年6月24日、日産自動車はカルロス・ゴーン社長が中田横浜市長と共同で記者会見をし、本社機能の大半をみなとみらい地区へ移転することを発表しました。この記者会見もインベスト神奈川・施設整備等助成制度ができる以前のことでした。
 ところが、この制度の「助成金交付要綱」で、土地を取得する日か工場等の設置工事に着手する日の30日前までに、事業認定申請書を知事に提出すれば助成金を受け取ることができるとしたために、既に土地を取得していても、また、研究所等の建設が明確であっても、日産自動車は、多額の助成金を受けとることが可能となりました。土地の購入済みや建設が明確になっている投資にまで助成金を出すことは、企業の誘致や県内企業の投資促進とは無縁であり、到底容認できません。

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立地件数にカウントされない建設が10件も!

 第3は、助成金を交付される事になっている大企業の研究所、本社、工場の建設の10件が、インベスト神奈川施設整備等助成制度の目標としている立地件数にカウントされないことです。新日本石油精製やソニーなど7件の設備投資は、その企業の土地・敷地内での再投資であるため、立地件数にカウントされません。また、2004年以前に購入した日産自動車と味の素の研究所の土地も立地件数の2倍加の目標年度である2005年から2009年にはカウントされませんし、日産自動車のみなとみらい地区の土地も、本社建設だけのため統計上、立地件数にはカウントされないのです。施設整備等助成制度の目標が「今後5年間の企業立地件数を過去5年間の2倍にする」ことにあるにも係わらず、立地件数にカウントされない研究所などの建設に助成金を出すことになるのは問題です。613億円の助成金は、もともと工場立地動向調査の立地件数に基づいて設定されたものですが、実際の助成金の交付では、立地件数にカウントされない投資の助成金が10件で281億円にもなるため、613億円の助成金が2年足らずでなくなる要因の1つとなっています。

雇用確保につながらない制度のあり方

 第4は中小企業支援が不十分であり、また、雇用の確保につながっていないことです。
 県は、中小企業への波及効果として、大企業13社の建設工事での発注額が474億円で、助成金総額425億円を上回るとしています。しかし、発注額が全て助成金である県税収入になるわけではありませんから、発注額と助成額とは、比較する対象とはなり得ないものです。また、県内中小企業への発注率は42.7%ですから、多額の助成金を受け取ることを考慮すれば、低い割合と言わなければなりません。
 県は、インベスト神奈川を実施することにより雇用を確保するとしています。しかし、施設整備等助成制度は、大企業でも50人の常用雇用者があれば助成対象となり、この50人の基準が、新規の雇用者である必要がないため、県内の新規常用雇用につながらない制度上の重大な弱点となっています。
 現在まで、大企業7社の従業員数が示されています。それによると、従業員数6300人のうち、派遣と委託による雇用者1705人、そして、常用雇用者4595人は全てそれぞれの企業の県内、県外からの配転で対応するため、新規の県内常用雇用者は、なんと0、一人も増えません。常用雇用者は増えず、増えるのは今問題になっている派遣労働者、そして委託による雇用者では、雇用の確保とはとても言えません。
 そして、更に重大なのは、申請第一号の富士写真フイルムの人員削減です。富士写真フイルムの有価証券報告書によれば、昨年3月31日と今年の3月31日の県内事業所の従業員数を比べると、足柄工場は、従業員数が443人も減っています。一方、小田原工場と新しい研究所を合わせると189人増えていますが、差し引き県内での従業員数は、254人減っています。雇用の確保が、逆に県内の従業員数が減るのでは、全く筋が通りません。

多額の助成金を出すのに、情報公開は不十分

 第5は情報公開が極めて不十分なことです。
 県は、企業に対して認可申請の際、事業開始時から10年後まで6回にわたって常用雇用者や非常用雇用者が何名になるのかを報告させています。ところが県は、企業に配慮して、全てを明らかにせず、企業が発表した雇用者数だけを報告しています。こうした県の対応は情報公開の流れに反するものです。
 ところで、知事は本会議の答弁の中で「インベスト神奈川によって2005年の立地件数が69%増加している」とし、インベスト神奈川が大きな効果を発揮していると強調しています。確かに、神奈川県の1000u以上の立地件数は、69%のびています。しかし、神奈川県と同じ首都圏臨海部に属している千葉県も24件から34件と42%増加していますし、埼玉県は40件から67件と68%増加しています。そして、埼玉県には神奈川県のような多額の助成金を出す制度はなく、不動産取得税分を2億円まで補助している程度です。また、2005年に全国で立地件数が最も多かった群馬県も神奈川県のような助成制度はありません。こうした全国の状況は、企業による研究所や工場の建設、どこに立地するかは、企業の戦略によって決められることが基本であることを示しており、多額の助成金を出しての企業誘致策なるものは止めるべきです。
 以上の理由により、定県第75号議案、平成18年度神奈川県一般会計補正予算に反対します。
 次に請願についてです。請願第85号は、保護者負担を軽減するため、国の私立高等学校などへの経常費助成の拡充をもとめるものであり、請願第88号は、教育基本法の改正案に反対する決議を求める請願です。共に採択すべきです。
 以上で、日本共産党県議団を代表しての反対討論を終わります。

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