| 米兵犯罪と基地問題について
県が主体的に抗議と再発防止を県民ぐるみで求めるべき
鈴木議員
本年1月3日、横須賀市内で発生した米兵による女性に対する強盗殺人事件は、県民の平和な暮らしを脅かすものとして大きな衝撃を与えました。
この事件を機に米海軍は、綱紀粛正と深夜の外出や飲酒の禁止、パトロールの強化などの対応を余儀なくされましたが、その後も米兵や軍属による犯罪はあとを断ちません。1月18日未明に横須賀市立不入斗中学校への不法侵入事件で米兵が逮捕され、2月18日には空母キティホーク乗組員によるタクシー運賃の踏み倒し事件と、横須賀市内のゲームセンターにおける暴行傷害事件で米兵が逮捕されています。綱紀粛正どころか犯罪がますます増加している現状は、県民の安全を守る上からも放置できません。
沖縄県では、1995年に発生した米兵による少女暴行事件で、沖縄県当局が中心となっての県民総決起大会に8万人を超える県民が参集して米軍への抗議と日米地位協定の改定を求めました。もしもこのような殺人事件が仮に沖縄県で発生していれば、間違いなく県民集会が再び開催され、県民的な抗議行動が行われたと推察できます。
県民の尊い命が奪われたこの事件について、県が主体的に県民集会等を開催し抗議と再発防止を県民ぐるみで求めるべきと考えますが、知事の見解を伺います。
松沢知事
県では、米軍人等による事件事故が発生するたびに、県市況を通じて、米軍人等の綱紀粛正及び教育訓練の徹底に努めることや、事件の再発防止策を講じることなどを、国及び米側に対し、要請するとともに、県が事務局となり、米軍、県警、地元市、国などで構成する横須賀基地防犯連絡会議を設けるなどの取組みを進めてまいりました。
また、横須賀市では、強盗殺人事件の発生を受けて、「基地周辺地区安全対策協議会(仮称)」の設立に着手するなど、市民、行政、米軍が連携した新たな取組みが始められてと聞いております。
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なぜ、県警は最後まで事件の徹底解明に努めなかったのか
鈴木議員
この殺人事件では、日米地位協定のいわゆる「運用の改善」で起訴前に容疑者の身柄が県警に引き渡されましたが、県警による事件の捜査の過程で欠くことのできない家宅捜索や証拠品の収集について、容疑者の居住する「ホテルボート」や容疑者の乗り組む空母キティホークの捜索について、事前に外務省や米軍の了承を得ていたにもかかわらず「外国軍艦は一般に日本の主権が及ばない治外法権にあたる」とした最高裁の見解を示され、家宅捜索差押令状の請求を取り下げたといわれます。また、日米合同委員会の合意があるとはいえ、容疑者の取り調べに際しては米軍の捜査官が立ち会うという異例な措置まで許しています。
公務上の事件でもなく基地の外で起こされた犯罪に対して、県警が主体的に捜査もできず証拠品も収集できないことや、取り調べに米軍関係者を立ち会わせるなど、およそ独立国にあるまじき対応が日米地位協定や日米合同委員会合意に原因があることは明白です。
日米地位協定第17条第6項(a)は、「犯罪についてのすべての必要な捜査の実施並びに証拠の収集及び提出について、相互に援助しなければならない」と定めています。この最低限の取り決めさえ適用せず、最高裁の見解を示されただけで捜索令状の請求を取り下げるのではなく、最後まで家宅捜索を要求すべきだったと考えますが、県警本部長の見解を伺います。
松沢知事
お尋ねの事件については、現在公判中であるため詳細についてお答えは控えさせていただきますが、県警察といたしましては、事件認知後、直ちに米軍側に対して情報提供と捜査協力を依頼し、平成18年1月7日には米軍側から被疑者の身柄の引渡しを受け、通常逮捕するとともに、米軍当局の協力を得ながら捜索差押えなど必要な捜査を進め、1月27日に被疑者は強盗殺人罪で起訴されたところであります。
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日米地位協定の抜本的改定を求めるべき
鈴木議員
この殺人事件の前の昨年12月、八王子市内で横断歩道を横断中の児童3人が空母キティホークの関係者が運転する車両にひき逃げされ重軽傷を負う事件が起きています。この事件では、米軍による「公務証明書」の迅速な発行により、容疑者の身柄が直ちに釈放されました。
この事件でも日米地位協定第17条第3項による「公務執行中の作為または不作為から生ずる罪」は第1次の裁判権を米軍が有していることが理由となっています。そして、「公務中」かどうかは米軍側が決めることになっており、不平等さはきわまっています。
知事は、横須賀での殺人事件について基地関係県市連絡協議会として在日米国大使や在日米海軍司令官、第7艦隊司令官に抗議し、外務大臣と防衛施設庁長官に要請を行っていますが、こうした事件や事故が多発している今こそ、17条をはじめ日米地位協定の抜本的改定を神奈川県知事として独自に求めるべきと考えますが、知事の見解を伺います。
松沢知事
地位協定見直しについては、本県だけでなく基地を抱えるすべての自治体に共通する課題であることから、関係自治体が一致団結して国や米側に見直しを働きかけるほうが効果的と考え、基地が所在する都道県で構成する渉外知事会などを通じて、取組みを進めているところです。
今後とも、関係自治体と連携を密にして、地位協定の見直しが実現するよう、取り組んでまいりたいと考えております。
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キティホークの退役を機に、交替配備を許さない立場を明確に
鈴木議員
昨年末の飲酒運転による業務上過失傷害事件や八王子のひき逃げ事件、横須賀の強盗殺人事件、タクシー運賃踏み倒し事件のいずれも空母キティホークの関係者による犯行であり、その他の事件も空母打撃群を編成する艦船の乗組員であることから、これらの事件・事故が空母の横須賀母港に起因するものであることが明らかになっています。
この際、もともと「3年ぐらい」と国会でも答弁していた空母の母港を返上し、空母キティホークの退役を機に原子力空母はもちろん通常型空母であろうと交替配備を許さない立場を明確にすべきと考えますが、知事の見解を伺います。
松沢知事
空母キティホークの後継艦については、配備が必要というのであれば、引き続き騒音問題の抜本的解決を図ったうえで、通常艦を配備するよう日米両国政府に求めているところであります。
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