| 2005年9月定例会
ふじたちえこ議員の議案・請願に対する反対討論
(10月5日 本会議)
私は、日本共産党県議団を代表して、定県第101号議案外17議案ならびに請願第41号外12の請願に対する所管常任委員会の審査結果に反対する討論を行います。
議案修正されても、水源税導入の根拠がないことは変わらない
定県第101号〜103号議案は、継続審査となっている水源環境保全税に関する議案です。この議案は修正されても、新税導入の根拠がないということは変わりありません。今回、多額の新税を充てる事業の水源森林づくり事業は、もともと、水道利用者に一部負担は求めても、その他の負担を県民に求めないことで始められ、知事も今年3月の予算委員会で、わが党の質問に「水源森林づくり事業については、既存財源を活用すべきとの認識を持たせていただいた。」と明確に答弁しています。
ところが、知事はこの事業について、整備のスピードアップや公有地化の拡大、内容の不明確な「より一層の取組み分」を拡充部分として、事業費が増えるかに見せかけ、16億7900万円の新税を充てようとしています。しかし、この事業は、2004年の見直しで事業費総額が1,001億円から695億円に縮小されたもので、拡充を理由に新税を導入する根拠にはなりません。また、新税提案から、わずか1年で、水源環境保全の施策に必要だとされていた税額が104億円から78億円に、そして、41億円から38億円へと、ころころと変わったことは、その根拠のなさを示しています。
このような水源環境保全税の導入はやめ、水源環境保全施策は一般財源で推進すべきです。
知事公舎借り上げ、住民無視の市町村合併への支出は認められない
次は、定県第123号議案、一般会計補正予算第4号についてです。知事は、7月23日に関東地域を襲った、震度5弱の地震の際、大丈夫だと言われて、自宅に帰ってしまわれました。しかし、この地震では、多くの人がエレベーターに閉じ込められる等の新たな事態が生じました。大都市では震度5でも、予想しない事態が生じる可能性があるとの危機意識で対応をすべきだったのに、知事にはこの意識が薄かったといわざるを得ません。ところが、知事は、今議会に災害時に迅速な対応をするために校舎が必要だと、財政難の中、優先課題として月80万円の知事公舎借り上げ料、1,249万円の補正予算を提案しています。
しかし、もともと知事公舎建設については、岡崎前知事も財政難を理由に見送ってきたもので、現在の財政状況は変わっていません。ですから、従来の知事と同様に、ヘリの異動で対応すべきであり、知事公舎建設を前提とした公社借り上げの予算の計上は認められません。
さらに、この補正予算には、相模原市と津久井郡2町の飛び地合併に対して、合併前後の臨時的な財政需要等への措置としての電算システム統合や、町が中核市に移行することに伴う経費増等の措置として、県単独の交付金10億円を支出するとしています。しかし、この合併は、相模湖町の住民投票で「単独での調整を継続する」が多数だったにもかかわらず、この住民の意思を無視して強行したものであり、このような合併に対する支援と財政支出は認められません。さらに、アスベストでの健康被害が社会問題になっている中、県立学校の体育施設の天井のアスベスト含有率85%とされるアスベストフェルト財が明らかに劣化しているのに、除去するための補正予算が組まれていないことは問題です。よって、定県第123号議案一般会計補正予算第4号は認められません。
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市町村の自治権奪う市町村合併推進審議会の設置は認められない
定県第126号は、今年4月施行の「市町村の合併の特例等に関する法律」に基づく基本指針を受け、県が合併を強制することにもつながる構想等を検討するために神奈川県市町村合併推進審議会を設置するものですこの新法と基本指針は、自主的な合併という名目で、国と県が市町村合併を上から押し付けようとするものです。全国町村会、全国町村議会議長会は、国の基本指針に対して、市町村合併はあくまでも自主的な合併が前提であり、いかなる形であれ、強制することのないようにと要請しました。市町村の自治権を奪う市町村合併を県が率先して強制することになる審議会の設置は認められません。
在宅重度障害者への手当廃止は許せません
次は、定県第134号議案です。
この議案は、「在宅の重度障害者等の福祉の増進を図ることが目的」となっている手当を、65歳以上で新規に障害手帳を取得したことを理由に対象外とするもので、均等待遇の原則に反するものです。さらに、十分な所得保障制度が確立しないまま、自立を阻害するほどの大幅な負担を求める障害者自立支援法案が提案されている新たな情勢の変化があるわけですから、多くの障害者団体の参加で時間をかけた議論をすべきであり、手当の改悪は認められません。
環境基本計画の変更は、県の責務が後退してしまっている
定県第139号議案は、環境基本計画の変更についてです。
環境基本条例前文には「私たちは良好な環境の下で健康で安全かつ文化的な生活を営む権利を有するとともに、良好な環境を保全し、将来の世代に引き継ぐ責務を担っている」と明確に環境権の趣旨と責務を示しています。国際的には、環境権は社会権として位置づけられているからこそ、あらゆる場面でこの権利は保障されるべきです。ところが、今回の改定案では「これは、いわゆる環境権を訴訟等の対象となる権利ではなく、環境施策を展開する上で尊重していくべきものと定めたものです」と規定し、環境権に対する世界の到達点から大きく後退していることは問題です。
更に、97年の計画では、期待される役割として、県は国、市町村、事業者民間団体等の協働により、諸施策を講じる責務があり、次に掲げる施策を実施しますと、県の責務を明記しています。ところが、今度の改定では、県の責務は明記されず、県民、NPO、市町村等との協働・連携に終始していることは、明らかに県の責務の後退であり認められません。
このページのトップに戻る 県立診療所は、指定管理者制度導入ではなく県立県営を維持すべき
次は、指定管理者の指定に関わる議案です。
定県第159号議案、県立3診療所の指定管理者の指定についてです。地域住民の診察、看護、公衆衛生活動を行う県立診療所は、地域に密着した住民との信頼関係を築くためには長期に専門性の高い人材確保が必要で、採算性を考慮しても短期間に運営主体が変わる指定管理者制度にはなじまないものです。県自身も、採算性や人材確保の面で県立診療所の指定管理者制度導入に不安があるため、事前に医療機関に打診し、手を上げるかどうかを確認しています。
さらに、地元自治体からも県立県営から指定管理者制度になることに対する不安が出され、県と地元首長の懇談も県議会2月定例会以前に行われています。
県は、指定管理者制度導入の条例議決後、指定管理者の公募の前に、地元説明と称して今回指定を受ける病院との話し合いを行っています。その際、病院側からは「現状でも、医師や看護師の確保が難しいこと」「病院から診療所に応援を出すことは出来ない」看護師についても「あらためて確保は難しい」ということも出されており、県は病院側に人材確保が難しい実態があることを把握していたはずです。
医師が数年で交代する体制の中で、地域に密着した医療を担うためには、県立と同水準のベテラン看護師等を長期的に確保することが必要です。しかし、この地域では、人材確保が難しく、収益性も低いので、県立診療所を指定管理者に任せて現行水準を維持すること自体に無理があるものです。先に指定管理者に手を上げるかを確認し、人材確保が難しい実態を承知の上で、指定管理者制度を強引に進めるやり方は問題であり、指定管理者の指定をやめて県立県営を維持すべきです。
三浦ふれあいの村の指定管理者指定−経費節減して県が進めてきたふれあい教育を継続できるのか
また、定県第191号議案は、三浦ふれあいの村を指定管理者に指定する議案です。選定にあたっては、指定された団体について、ボランティア組織を活用した事業展開と、それによる運営経費の節減が高く評価されています。しかし、三浦ふれあいの村は築30年以上経過し、塩害等による老朽化が厳しい上に、バリアフリー化がされておらず、建物修繕や設備改善などが急がれています。
日常的な小規模修繕が頻繁に必要で、かつ老朽化した施設ですから、支障なく運営するためには、長年の経験とノウハウが必要です。多くの改善すべき施設上の問題がある老朽化した施設を、大規模改修の計画も示さずに、まったく新しい団体に運営を任せて、ボランティア活用での小規模修繕を行わせることは、安全面でも、県が進めてきたふれあい教育の継続性を担保する上で大きな問題があります。
義務教育費国庫負担制度継続を求める請願−採択すべき
次に、請願第36号、69号、73号は、義務教育費国庫負担制度の継続、堅持を求めたものです。義務教育費国庫負担金制度の存続については、文部科学省の中央教育審議会義務教育特別部会で、10月末まで結論を出すとして議論されていますが、多くの委員から、義務教育の財源は国が負担すべきであるとの意見が出され、パブリックコメントでも同様な意見が出されています。このことは、教育の機会均等とその水準の維持向上は国の責任において行われるものであり、地方の財政力の違いで教育の格差が出ることは許されないということを示しています。
部会での結論が出される重要な時期だからこそ神奈川県議会として、国に対し義務教育費国庫負担制度の堅持を求めるべきであり、これら三つの請願は継続ではなく採択すべきです。
以上、主な理由を述べて、定県第101号議案外17議案ならびに請願外41号外12の請願に対する所管常任委員会の審査結果に反対する討論を終わります。
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