| 2005年2月定例会
鈴木とも子県議の現年度議案に対する反対討論
(2005年3月18日 本会議)
私は日本共産党県議団を代表して定県第125号議案、平成16年度神奈川県一般会計補正予算(第3号)ほか6件の議案について所管常任委員会の審査結果に反対する討論を行ないます。
まず定県第125号議案、平成16年度神奈川県一般会計補正予算についてです。今年度の当初予算は松沢知事になって最初の本格的な予算として、どのように編成されるのか大変注目されました。知事は選択と集中で予算案を編成したとしました。しかし福祉や教育に冷たい一方で、公共事業費の増額や議員の海外視察の復活など、選択と集中の仕方が県民の期待から大きくかけ離れたものとなっています。補正予算はこうした当初予算を引き継ぐものとなっています。
地球環境戦略研究機関の研究施設と職員住宅用地の買い取りはやめるべき
この補正予算の中に財団法人地球環境戦略研究機関の研究施設と職員住宅用地27,406.65平方メートルを神奈川県住宅供給公社から29億8229万円で買い取るとしたものが含まれています。この財団法人地球環境戦略研究機関は1995年村山内閣時代の私的諮問機関である「21世紀地球環境懇話会」より設置の提言があり、1997年神奈川県湘南国際村に設置が決定し1998年より活動開始されたものです。神奈川県はこれまで1997年より出えん金5,000万円、人件費、運営費、事業費補助や入居施設費の支援のため2004年まで20億円を超える支援を行なっています。さらに2002年湘南国際村の中に神奈川県住宅供給公社が土地を求め、独立した研究施設建設を行ないました。県は建物については公社と30年間のリースバック方式とし、土地は2005年度末に県有地と交換するとしました。しかし今定例会に出された議案は、研究施設用地、職員住宅用地を買い取るというものです。1996年9月に神奈川県の議会決議で、本県に立地決定を求める意見書が採択されましたが、この意見書は立地場所を神奈川にというもので、財政支援などいっさい触れられていません。当初、国との約束として県は研究施設、職員住宅も整備するとしてきたとしていますが、なんの文書もないとのことです。財団法人地球環境戦略研究機関は国際機関となろうとしていますが、この機関への支援を国の仕事と位置づけし、国の責任できちんと支援を強めるべきです。神奈川県は財政危機として赤字予算を組み、県民の生活に直結するお金も削られている中で、国に支援強化を求め、このような支援のあり方を変えるべきです。ましてや文書もない約束の実行のため29億8229万円ものお金を出し、公社との約束の1年前だというのに土地の買い取りはやめるべきです。
このページのトップに戻る 県の仕事は地元中小企業の育成−613億もの大企業誘致策はやめるべき
一般会計補正予算には、2004年度〜2019年度の産業集積施設整備等助成金613億3,600万円の債務負担行為が追加されています。
この助成金は、県内への企業誘致を目的としたものですが、中小企業も対象とはされていますが、高度先端企業に限られ、県内中小企業は5億円以上、県外中小企業は10億円以上の投資が条件とされ、目の飛び出るようなハードルの高さです。
これまでに誘致を申し出てきた企業は、中小企業としては湘南デザインが投資額約17億7千万円で一社あるのみで、あとは投資規模約900億円の日産自動車など、そのほとんどが大企業です。大企業に対しては投資額50億円以上が条件となっていますが、これらの企業に研究所なら最大で80億円、工場・本社なら最大50億円の助成金を10年間に渡って分割で払っていくことになります。
県は、産業集積促進方策を策定するにあたって昨年7月の産業集積促進方策骨子案「大企業を真正面から施策の対象とする必要がある」と、これまで中小企業対策を建前としてきた県の産業政策からの転換を掲げましたが、613億円の産業集積施設整備等助成金は、その具体化と言えます。
知事は618億円の投資額で、15年間で県税が670億円増えて回収できるとしていますが、県としては不動産取得税と法人事業税の税軽減額が10年間で35億円になるとの試算があり、さらに幹線道路などの多額なインフラ整備を加えれば、県にとって財政負担が大きくなり県財政を圧迫することになります。また、高度先端産業なら間違いなく活況を取り戻し、県全体の景気が上昇すると保障できるわけではありません。今回開成町に進出するという富士フイルムは、南足柄市で一貫して好業績を上げてきました。ところが、富士フイルムがハイテク部門を減らし従業員数が少なくなったため、法人市民税がピーク時の8分の1になり、2007年に富士フイルムの「企業城下町」である南足柄市が財政再建団体に転落する可能性が出てきたと報道されています。このことは大企業頼みの自治体財政のもろさをあらわしています。
県内を見ても、大企業を中心にして関連産業の中小企業が広範に集積しているという実態がないことからも、大企業先端産業への過大な投資は県内中小企業の振興、活況を生み出す保証はありません。地方自治体の産業施策の基本は中小企業支援にこそありますが、今回の産業集積施設整備等助成金はその実態が示すように大企業支援になっており、地方自治体の本来のあり方から逸脱したものです。こうした大企業奉仕の施策は止めるべきであり、613億円もの産業集積施設整備等助成金の債務負担行為は認められません。
高度医療機器の更新を後退させる4条負担金減額は認められない
定県第137号 病院事業会計補正予算では、4条負担金が減額補正されています。地方公営企業法では、病院債償還元金の2分の1から3分の2を4条負担金として一般会計からの繰入れることになっていますが、この間まともにこの額が繰入れられておらず、高度医療機器の更新が進まないなどの実態となっています。今年度の当初予算でもこの4条負担金は、2分の1にも満たない額しか、繰入れられていないにも関わらず、補正予算で4条負担金を減額することは認められません。
以上主な理由を述べ、定県第125号議案、第126号、第134号、第137号、第138号、第145号、及び第147号の各議案に対する所管常任委員会の審査結果に反対いたします。以上で討論を終わります。
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