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県議会での取り組み2005年2月議会>かわの幸司県議の新年度議案に対する反対討論
県議会での取り組み

2005年2月定例会

かわの幸司県議の新年度議案に対する反対討論

(2005年3月23日 本会議)

 日本共産党県会議員団を代表し、定県第1号議案外51の議案、並びに請願37号外9の請願に対する所管常任委員会の審査結果に反対の討論を行ないます。
  まず、第1は、定県第1号議案平成17年度神奈川県一般会計予算についてです。
  知事は、提案説明の中で、新年度予算案における5つの重点として、財政の健全化、県民生活の安全・安心の確保、地域経済の活性化、保健・医療・福祉の総合的推進、教育の充実をあげました。しかし、新年度予算案は、財政の健全化による県政リストラと自動車専用道路整備などの大型公共事業の推進、地域経済活性化の名目での大企業支援に積極的に取り組み、保健・福祉・医療と教育には冷たい内容になっています。

福祉部予算は実質大幅削減

 福祉部の予算は、現行組織ベースでみると1895億5900万円で、今年度比356億800万円の増額となっています。しかし、福祉部の義務的経費の当然増は、国民健康保険の県費負担導入など国制度と県単独事業で合わせて378億5668万円となっています。このことは、福祉部の予算増額分が義務的経費の当然増より22億4868万円も少ないことを示しており、この分だけ福祉部の一般政策経費が削られることになります。その上、県単独事業としての市町村補助金、団体補助金において、福祉部の削減額は11億679万円となり、全部局の削減額の47%も占めています。この中で、重度障害者医療給付事業費補助やひとり親家庭等医療費助成事業費補助などは、中核市との合意がないまま補助率を削減しています。
 また、生活保護世帯に対する小中学校入学祝金など913万円を削減、今年度、廃止した慰問金とあわせ、県独自の支援策が全て廃止されることになります。更に、新年度は、低所得勤労者援護事業費6136万が削減され、実質的に低所得者の為の住居の場となっていた2つのホームが今年度限りで廃止される事となりました。この一つの清水が丘ホームでは、閉鎖が進められている中で、82歳の入所者が自殺しました。80才を過ぎて新たな住居に移転しなければならなくなったその日の朝、物言わず自らの命を絶つ事となりました。この事態を県当局は重く受け止めるべきです。

難病患者に対する支援策も大きく削減

 衛生部の予算でも、新年度に新たな難病対策を図るためとして、難病患者への特定疾患患者療養援護費を3億3000万円削減しました。しかし、新たな難病対策のための増額分は、5600万円で、結局、難病で苦しむ患者に対する支援策にかかわる予算は大きく削減される結果となっています。

県立学校でのアスベスト対策が放置されているのは大問題

 次は、教育委員会の予算についてです。新潟中越地震の教訓を生かし、県立学校の耐震診断と老朽化対策を計画的に進めるとしていますが、体育館の耐震対策が全くなされず、耐震診断の計画さえないのは問題です。また、アスベストフェルトが43校、47施設に使用されていますが、このうち体育館は40棟となっています。アスベストは、「キラー・ファイバー」「静かな時限爆弾」とも呼ばれ、吸入した人に肺がんなどの健康傷害を発生させる危険性を持ち、発生までに平均数十年の潜伏期間があるとされています。大規模地震が起きたとき県立学校は、避難場所に指定されている、いないに係わらず避難場所にならざるを得ませんが、抜本的なアスベスト対策が放置されたままでは、県立学校と体育館が、避難場所になるどころか、逆に、大規模地震で破壊され、アスベストを飛散させていくことになり、健康被害を発生させる源になる危険性があります。県立学校でのアスベスト対策が放置されているのは問題です。

全国から大きく立ち後れている少人数学級の取り組み

 少人数学級のとりくみは全国43道府県で取り組まれ、福島県では新年度から小・中学校の全学年で30人学級となります。しかし、神奈川県は、国の加配の教員を少人数学級の実施に運用しても良いとの方向を打ち出し、小学校1、2年生で35人学級を実施しているものの、県としての独自の取組みはなく、全国と比較して、大きく立ち後れています。また、2005年度の高校入試に当たって大量の不合格者を出すこととなり、定時制の2次募集で100名を超す不合格者を出す事態となっています。毎年の教訓を生かすことなく、15の春を泣かせる教育行政のあり方は問題です。
 消費生活条例の改正が提案され、県の果たすべき役割も強化されることとなりました。そして、県は、新年度から週末の消費生活相談を実施し、中央消費生活センターの相談業務体制も一人をバックアップ体制として配置することとしています。しかし、新年度予算案での消費者保護対策費は、5731万円、全額国庫補助となった事業を除いて今年度と比較しても422万円の減額となっています。そして、市町村からは、5年すぎても支援の継続をとの声があがっているのに、この声に応えず、市町村支援も約半分の840万円に削減しています。
こうした福祉、教育、県民の暮らしに冷たい一方で、大企業支援、大型公共事業には積極的に取り組んでいます。

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「神奈川口」のメドもないのに羽田空港整備事業へ9億1,700万円もの貸付金

 新年度予算案には、東京国際空港緊急整備事業貸付金として9億1700万円が計上されています。この貸付金は、本来、国事業として行なうべき羽田空港再拡張事業に対し、知事がCIQ等の空港機能の分担と多摩川を渡る連絡路の建設を核とした神奈川口構想を持ち出し、この構想が実現すれば、県民の利便性など羽田再拡張・国際化のメリットが神奈川に及ぶとして自治体負担を国に約束したものです。しかし、CIQについては、セキュリティーや検疫などの問題があり、第3回「神奈川口構想に関する協議会」でも今後改めて検討すべき課題として整理とされました。また、連絡路については、東京と神奈川の臨海部を連絡する道路の必要性について、東京都など関係者の間で合意がされましたが、本来なら昨年12月にルート・構造の基本的事項の決定となっていたもので、目標から大きく立ち後れていることは明らかです。知事は、昨年の2月13日の記者会見で「新しい羽田空港が出来る2009年に神奈川口が同時に供用しなければ意味がない」と述べました。しかし、2009年に供用開始が出来ないことは明確であり、貸付金の支出は止めるべきです。

大企業支援や幹線道路などは予算増、一方公営住宅費は大幅削減

 松沢知事の産業振興策は、大企業支援に最大の特徴があります。昨年度、知事が提案した企業特例税の3%から2%へ引き下げる条例によって、新年度は43億円の大企業減税が行なわれました。そして、新年度予算案では、産業集積施設整備等助成金として511億円の債務負担行為を設定し、大企業支援を進めようとしています。また、公共事業も産業活性化のインフラ整備とも位置づけ幹線道路整備などに取り組んでいます。公共事業費は、総額1268億円、前年度比97.7%となっていますが、さがみ縦貫道路など自動車専用道路網整備費は、137億4321万円で、今年度を更に上回っています。その一方で、公営住宅費は、55億8872万円、今年度比80.9%と大幅に削減されていますが、大型公共事業優先のやり方は止めるべきです。

県立ホール系文化施設とNHKとの合築進める、山下町利活用計画はやめるべき

 山下町県有地利活用計画事業費として1億5250万円が計上されています。県立ホール系文化施設の整備については、山下町の県有地にNHKと合築で進めていく案が出されています。これまでの経過をみると、昨年8月6日に、県とNHKとの間で、NHKが山下町県有地を移転用地として活用する方向で基本的協議がととのったとの事ですが、神奈川県とNHKの合意の文書もなく、また、このことを決めたとされている8月6日に開催した県有地・県有施設利用調整会議は、稟議(りんぎ)、つまり関係者が集まることもなく、文書を回覧しておこなう会議でした。貴重な県有財産の利用方法を、合意文書もないなどのずさんなやり方で進めていくのは極めて重大です。また、戦略プロジェクトの文化・芸術・スポーツを楽しむ環境づくりでは、県民ホールの再整備が2005年に基本設計と実施設計、県立音楽堂の再整備の検討となっています。しかし、新年度、県民ホールの再整備についての基本設計、実施設計はなされず、緊急対応と言うことで緞帳(どんちょう)の補修となっています。戦略プロジェクトにおける県民ホールの整備計画すら進んでないのに、こんどは新しい県立ホールの整備では、全く筋が通りません。しかも、NHKとの合築、1階など下層にNHK、その上に県立ホール、さらに屋上にNHKの電波塔、これでは神奈川の顔にふさわしい拠点が、NHKの顔となってしまいます。このような山下町利活用計画は止めるべきです。
 以上の主な理由により、定県第1号議案神奈川県一般会計予算には反対です。

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新税で水源の森林事業を進めることは絶対に認められない

 次に定県第9号議案、平成17年度神奈川県水源林づくり事業会計予算についてです。水源保全・再生事業と水源環境税は、今定例会最大の課題でした。水源保全の施策を進めることは重要な課題であり、そして、この施策の根幹をなすのが水源の森林づくり事業です。新年度の水源の森林づくり事業は、4億2157円増額され、19億6029万円の予算額となっています。
 ところで、水源環境保全・再生基本計画では、当初5年間は、年30億620万円の事業費となっていますが、この計画では、確保する上で最も費用のかかる立木と森林の買い取りをする公有地化を9%から12%に拡大するとしています。しかし、97年から2003年までの実績でみると確保の中での公有地化の割合は、9.6%です。基本計画によれば、1haを確保するためにかかる費用は、水源分収林約213万円、水源林協定約95万円、立木385万円、協力協約12,000円であるのに対して、公有地化は約735万円と最も高くなっています。ですから公有地化の比率を高めることは、事業費の増大に繋がります。水源の森林づくり事業を進める上では、最も費用のかからない手法をとるべきであり、公有地化の割合を拡大すべきではありません。新年度の水源林づくり事業会計では、予備調査を1634ha行い、公有地化の拡大を進めようとするものでもあり、こうしたやり方は認めることは出来ませんし、ましてや、新税で水源の森林事業を進めることは絶対に認めることは出来ません。

施設利用者の意見が全く反映されていない指定管理者制度

 次に指定管理者制度の導入関連の条例改正についてです。指定管理者制度導入に関する議案が27提案されていますが、日本共産党県議団は22の議案に反対します。
 昨年の2月定例会の日本共産党県議団の質問に対して、知事は、「施設利用者の意見の反映に努めながら、指定管理者制度の導入にむけて作業をすすめることとしております。」と答弁しました。しかし、今回、指定管理者制度導入の条例改正の提案するにあたって、利用者の意見を聞いていないのは、議会答弁に反するものです。また、委託している公の施設について、一律に指定管理者制度を導入しようとしているのも、指定管理制度先にありきだと言わなければなりません。次に主な議案について述べます。
 定県第62号議案は、県立直営の3診療所に指定管理者制度を導入するための条例改正です。地域にとってなくてはならない地域医療の拠点となる3診療所について、患者や関係者の意見を全く聞かず、指定管理者の制度導入を一方的に進めるのは問題です。津久井郡の地域にとって重要な医療拠点である3つの診療所については県立直営診療所として維持すべきです。
 定県第44号議案は、県立施設であるさつき寮の管理を指定管理者にまかせると言うものです。さつき寮は、売春防止法に基づく婦人保護施設として神奈川県が設置し、様々な理由により、生活上問題をかかえる保護を必要とする女性を入所させ、保護し自立支援を行なっている施設です。このような施設の業務の運営に当たっては、競争の原理を優先すべきではないことは当然です。指定管理者の対象に法人にまで窓口を開いていることは認めることはできませんし、社会福祉法人に限定すべきです。
 県営住宅や青少年キャンプ場、地球市民かながわプラザなどの施設については、直営に戻すべきであり、また、提案されている条例案には、指定対象者が県内に事務所がない場合も認めること、更に、利用の原則交付を指定管理者の承認にすることや利用料の条例規定がないなど、利用者のサービス低下を招くおそれがある問題もあり、こうした条例案にも反対です。
 定県第52号議案青少年センター条例の一部を改正する条例は、施設使用料の値上げ、駐車場の有料化を行なうものです。入場料金3,000円を超える場合は、ホールの使用料金は、現行では午前9時から午後5時まで61,200円でしたが、改正後は、143,400円と2.3倍にもなります。また、駐車場が新たに有料となり、県民の負担が増える事となり、この条例改正には反対です。

第一軍団司令部のキャンプ座間への移転は、基地の強化と恒久化につながる

 最後に請願についてです。
 請願第65号は、キャンプ座間への米陸軍第一軍団司令部の移転に反対する国への意見書採択に関する請願です。現在、日米政府の間で、第一軍団司令部の移転をふくめた米軍再編計画についての協議がなされています。2月に開かれた日米安全保障協議委員会2+2においても、この問題が協議され、数ヶ月後に結論を出すこと、6月にも原案をまとめる事が米国防長官から提案されたとの報道もされました。米陸軍第一軍団は、イラク戦争にも参加し、太平洋からアジア、インド洋までを行動範囲としている部隊です。第一軍団司令部のキャンプ座間への移転は、基地の強化と恒久化につながり絶対に認めることは出来ません。よって、この請願は採択すべきです。
以上、主な理由を述べ、定県第1号議案外51の議案、請願65号ほか9の請願に対する所管常任委員会の審査結果に反対する討論を終わります。

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