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県議会での取り組み2004年12月議会> かわの幸司議員の議案等に対する反対討論
県議会での取り組み

2004年12月定例会

かわの幸司議員の議案等に対する反対討論

2004年12月21日 本会議

日本共産党のかわの幸司です。日本共産党県議団を代表して、定県第 93 号議案他 18 議案、並びに請願 35 号ほか 15 の請願に対する所管常任委員会の審査結果に反対の討論を行います。

産業集積のための税率の特例措置は実質、大企業減税

 まず、第 1 は、定県第 93 号議案についてです。この条例案は、県内への産業集積を促進ために、京浜臨海部、みなとみらい 21 地域、産業集積地区などに中小企業が進出した時に、法人事業税を減額し、また、法人が不動産を取得した時に、不動産取得税を引き下げるものです。
  この条例案には、中小企業への支援も含まれますが、法人事業税の減税では、中小企業の対象は、ハイテクやバイオなどの一部の高度先端産業に限られ、不動産取得税の減税については、県内中小企業の対象が、産業集積促進助成金「交付要綱」に基づき、助成金の交付を受け、 5 億円以上の投資をした企業に限られています。一方、不動産取得税の減税は、投資額 50 億円以上で、大企業に取っては大幅な減税となるもので、富士フィルムが研究所の建設にあたって交付要綱に基づく申請をしているところです。
  この間、県は臨時特例企業税の一部改正で大企業減税を実施しており、これに続く大企業減税のやり方は止めるべきあり、この議案には反対です。

問題山積の「安全・安心まちづくり条例」

 第 2 に、定県第 96 号議案「神奈川県犯罪のない安全・安心まちづくり推進条例」についてです。安全・安心まちづくり条例は、 94 年の警察法の改正で、警察庁に生活安全局が設置されたことを出発点とし、 97 年を契機に全国的に制定が進められてきました。そして、 2000 年 12 月に警察庁生活安全局長から「安全・安心まちづくりの推進について」の通知が、都道府県警察や当時の建設省都市局などに出され、警察主導のもとで、条例制定の一層の徹底が図られてきました。

不祥事など検挙数激減の原因を曖昧にしたまま、県民に責務を担わせる

条例案の 第 1 の問題は、警察法第 2 条に基づき、警察の責務である犯罪の予防を、県民や事業者に責務として担わせることです。
  「警察はきちんと役割を果たしている」「警察だけでは犯罪の予防はできない」との意見もありますが、しかし、警察のあり方に問題がない訳ではありません。神奈川県の刑法犯認知件数に対する検挙率は、 94 年から 99 年までは、 50 %前後となっていました。ところが、 99 年に 48.1 %であった検挙率が、 2000 年に急激に落ちて、 24.5 %となり、その後は 20 %台にとどまっています。「刑法犯認知件数がふえたため」との説明がされましたが、検挙件数が 99 年に 7 万 269 件だったものが、 2000 年に 4 万 1,611 件と大幅に減少しています。なぜ、 1 年間でこんなにも検挙件数が大きく減少したのか、 99 年の一連の県警の不祥事が影響していることは明らかですが、このことも含め、明確な説明と解明がされるべきです。そのことをせず、県民、事業者に責務を求め、犯罪防止の一翼を担わせようとしても、納得できるものではありません。

犯罪の根本問題に手をつけず、問題を青少年の「規範意識」だけに矮小化

 第 2 の問題は、犯罪が引き起こされる原因がなんなのか。原因を調査し、犯罪を根本からなくす内容になっていないことです。犯罪が引き起こされる原因の 1 つに、経済不況があることは明らかですが、こうした問題には全く触れられていません。さらに、条例案では、「児童などの規範意識を向上させ」としていますが、青少年犯罪を「規範意識」だけに特化し、その背景にある青少年を取り巻く環境を改善していくという視点に欠けています。

「自主的な行動」といいながら、県民の生活に警察が入り込む

 第 3 の問題は、「県民、事業者及び民間団体による自主的な行動」になっていないという事です。例えば、県や公安委員会が策定した「指針」に基づき県民と事業者が行動すること、更に、「共同住宅を建設しようとするものは、指針に基づき防犯上の措置を講じようとするときは、あらかじめ管轄の警察署長に防犯上の意見を求めるように努める」とする等、県民のあらゆる行動に、公安委員会や警察が入り込む状況になっています。これでは、警察主導であり、県民などの自主的な行動とは言えません。

警察主導の監視カメラによる相互監視社会の危険性

 第 4 の問題は、監視カメラの問題です。条例案では、共同住宅、公園、道路、繁華街などに監視カメラを設置することを想定しています。監視カメラについては、犯罪の防止に役に立っているという考え方もありますが、肖像権やプライバシィーの侵害にあたるものでもあります。本来、公共の場である道路、繁華街、公園などに監視カメラが設置され、当事者の同意もなくカメラで撮影されれば、憲法 13 条で保障されたプライバシー権や肖像権を侵害することになります。警察主導のもとでの監視カメラやパトロール隊等による相互監視社会が 21 世紀の社会をめざす方向であってはなりません。
  もともと、警察など公権力と国民の関係は、建前上緊張関係にあり、公権力の恣意的な発動により国民の基本的人権が侵されないに、国民が公権力をチェックするために近代立憲主義が確立されましたが、条例案は、この立場に反するものとなっています。以上の理由で定県第 96 号議案には反対です。

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アメリカの世界戦略に国民を動員する国民保護法の具体化はやめるべき

 第 3 は、定県第 94 号議案、 95 号、 122 号議案についてです。これらの条例案は、国民保護法の制定と関わって提案されたものです。
 国民保護法は、国民を保護するための法律であるかのように喧伝されていますが、決してそうではありません。もともと、国民保護法は、武力攻撃事態法など有事関連法と一体のものですが、武力攻撃事態法は、政府が、武力攻撃事態または、それ以前の武力攻撃予測事態と判断すれば、地方自治体や民間企業、国民を動員することができるものです。また、自衛隊法の改悪とその施行令では、自衛隊の命令 1 つで民間の土地、施設、物品の使用や医療、建設、輸送関係者を戦争に従事させることを可能にし、物資の保管命令に従わなければ懲役や罰金を課すものとなっています。そして、国民保護法は、武力攻撃事態などに備え、自治体や公共機関、民間企業に戦争協力の計画づくりや実行を迫り、日常から戦争に協力する体制をつくろうというものです。
 本来、日本が取るべき事は、憲法第 9 条に基づき、国際紛争を話し合いによって解決する立場を貫くことであり、無法なアメリカのイラク戦争を支持し、自衛隊を派遣することではありません。ところで、先日、発表された中期防衛力整備計画では、「日本が直接攻撃にあう可能性は極めて少ない」としています。想定されるのは、米軍基地などに対するテロ攻撃ですが、自衛隊をイラクに派遣し続け、アメリカと一体となっての行動こそが、テロの標的になるなど危険な事態を作り出すことになります。
 イラクへの自衛隊派遣や有事法制と国民保護法に基づく体制づくりは止めるべきであり、国民保護法に関連する条例案には反対です。

県営南鴨宮団地の工事入札はやり直すべき

 第 4 は、定県第 114 号議案、県営南鴨宮団地公営住宅新築工事請負契約についてです。この新築工事の入札は、 7 月 2 日に公告し、 8 月 20 日に行う予定でしたが、談合情報があり、信憑性があるとして、延期されていました。今回 2 回目の入札が、 9 月 2 日に公告、 11 月 11 日に実施され、 98.68 %の落札率でした。しかし、 2 回目の入札では、 19 社が入札したにもかかわらず、 7 社も辞退するという異常な状況となりました。しかし、県はこのことについては調査をしていません。この対応は、入札の透明性を高める上で問題であり、この工事請負契約は、改めて入札をすべきです。

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県有財産である旧知事公舎を不当に安く処分したのは明らか

 第 5 は、定県第 116 号議案、神奈川県所有の旧知事公舎と商船三井所有の土地との等交換契約は、全く等価な交換ではなかったとして、知事に対して損害賠償をなどの支払いを求めていた裁判に関連した議案です。
  旧知事公舎の土地は、路線価、県有財産表、固定資産課税台帳、公示価額のいずれの資料によっても、商船三井の所有地より評価額が高くなっていました。例えば、公示価額では、 7 億 7,592 万円、旧知事公舎の土地の評価が高くなっています。しかし、それぞれを 2 人の不動産鑑定士が行った平均評価では、反対に、総額で 18 万 5,680 円、旧知事公舎の評価が低くなってしまいました。この要因には、旧知事公舎の北側の市道の幅員が最小 2.77 mで建築基準法のいわゆる 2 項道路であったため、横浜市建築基準条例により床面積 500 u以上の大規模な集合住宅の建設ができないこと等がありました。たしかに、不動産鑑定士が県の説明をうけ、現地を調査した 97 年 1 月 20 日、更に、土地の等価交換の契約を結んだ 97 年 3 月 5 日の時点においては、北側市道は 2 項道路でした。
  しかし、県は、商船三井から土地の譲渡の申し入れがあった 96 年 3 月以降、横浜市に道路調査を依頼するなど、北側市道を 1 項道路にすべく様々な手だてをとっていました。この結果、県と商船三井が、等価交換契約を結んだ 2 ヶ月後の 5 月 20 日に、横浜市は、北側市道を 1 項道路にするための県有地の寄付受け入れを県に通知し、 7 月 4 日に告示しました。この結果、旧知事公舎の土地は大規模開発が可能となり、同じ 7 月 4 日、商船三井から土地を買い取ったリクルート社は高層マンション建設をし、多大な利益をあげ、周辺住民の緑を守ってほしいとの願いも踏みにじられました。
  知事は、県有財産の取得、管理、処分に当たっては、適正、効率的に行うべきです。北側市道が、 1 項道路になれば、当然、土地としての評価は高まるはずであり、契約時には、 1 項道路にすべき手続きをしているさなかですから、普通の対応なら、このことを見届けてから譲渡や交換をするはずです。それなのに、鑑定士にそのことを知らせず、契約を急ぐ行為は、県有財産を預かる立場の者としては取るべきではなく、県民に多大な損害を与えたものであり、これらのことを認めない裁判所の判決は不当と言わなければなりません。よって、この議案は認めることはできません。

農業改良普及センターは残すべき

 第 6 、定県第 100 号議案は、農業改良普及センターを廃止するものです。農業助長法の改悪によって、必置義務とはならなくなりましたが、改良普及センターは、神奈川の都市農業を守る上で、欠かせない機関であり、県として引き続き、独自に設置すべきであり廃止には反対です。

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私学助成・ 30 人学級の請願、 93 万 2,838 人の願い「不採択」は認められない

 次は請願 57 号− 1 私学助成の拡充、学費補助の充実などを求める請願についてです。
  この請願には、 93 万 2,838 人の署名とともに提出されました。私学助成については、今年度において標準的運営費の 50 %を達成したものの、生徒 1 人あたりの補助単価でみると依然として全国最低クラス、父母負担は公立高校の 7 倍となっています。また、経済不況の中で、経済的理由で退学をせざるを得なかった生徒が、県の調査で 77 名となっており、私学助成の拡充などを求めるこの請願は採択すべきです。

 以上主な理由を述べ、定県 93 号から 100 号、 102 号、 103 号、 109 号、 111 号、 114 号から 116 号、 118 号、 119 号、 121 号、 122 号の各議案、並びに請願 37 号、 41 号、 50 号から 52 号、 54 号から 56 号、 57 号の 1 と 2 、 58 号、 59 号の 1 と 2 、 60 号の 1 と 2 、 61 号の各請願の所管常任委員会の審査結果に反対する討論を終わります。

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