| 2004年9月定例会
ふじたちえこ議員の議案及び請願の審査結果に対する反対討論
2004年10月14日 本会議
私は、日本共産党県議団を代表して定県第67号議案他10議案、並びに請願第37号他6つの請願に対する所管常任委員会の審査結果に反対する討論を行います。
エコループプロジェクトは、ゴミの発生抑制・減量化と逆行するもの
まず、定県第67号議案平成16年度神奈川県一般会計補正予算についてです。この補正予算に含まれる土地水資源調整費500万円は、山北町川西地区の面積88haの土地利用調整計画の策定の経費を補助するものです。この土地利用は新産業ゾーンとして位置づけられ、ほぼ3分の1にあたる約29haは、エコループプロジェクト計画の予定地になっています。このエコループプロジェクト計画は、岡崎前知事の時代の2001年3月に、神奈川県と地球環境戦略研究機関、環境技術研究会がまとめた神奈川県廃棄物処理対策・全体構想が基礎となっています。そして、このエコループプロジェクト計画は、前知事が今年5月に理事長となったNPO環境テクノロジーセンターが策定し、事業の推進は、今年7月に設立された前知事が社長を務める株式会社エコループセンターが行うことになっています。NPO環境テクノロジーセンターと株式会社エコループセンターは、所在地が東京港区虎ノ門で同じビルの同じフロアーとなっていていますが、知事時代に県民の税金を使って方向付けをした事業に、株式会社を設立して、自らが社長となって取り組むことに、「自分の仕事先をつくるためだったのではないか」との県民からの疑問の声が出されています。また、エコループプロジェクトは、民間企業である株式会社が取り組むものであるにもかかわらず、県は、2度にわたって市町村等廃棄物主幹局長会議などを開催して、事業内容の説明と意見交流を行なっており、このような対応も問題と言わなければなりません。更に、このエコループプロジェクトは、横浜、川崎をのぞき、希望すれば三浦半島も含めた全県の一般廃棄物と産業廃棄物を山北町まで運び、一括処理しようとするものですが、これは、市町村毎の自区内処理に反すると共に、県が進めてきたブロック別の広域化方針とも矛盾するものです。このように、大量のゴミを遠隔地に集めて処理するやり方は、ゴミの発生抑制と徹底的な分別による減量化とリサイクルとは相反するものでもあります。このような問題を多く持っている事業をすすめるための土地水資源調整費は認められません。よって補正予算は反対です。
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指定管理者制度を導入する場合は、サービス水準を後退させない契約条件を明記すべき
定県第69号、定県第71号、72号の各議案は、いずれも現在委託している施設を指定管理者制度へ移行させようとするものです。知事は、2月定例会で、指定管理者制度導入について「それぞれの公の施設ごとに、利用者の意見の反映につとめながら」「指定管理者制度導入に向けての作業を進めることとしている」と答弁されましたが、今度の条例案は、利用者に対する説明もなく意見も聞かないうちに提案されたものです。
神奈川県総合リハビリテーションセンターは、不採算部門となっている高度専門リハビリテーション等の医療と福祉の総合的な県立施設です。交通事故などで突然、体の自由を奪われた若者にとって、新たに人生を模索し生きる意欲を引き出すためには、大きな支えが必要です。30年の歴史の中で培われた技術をもつ多くの専門職員が、障害の状況ににあわせた車イスの開発や地域で暮らすための生活全般に関わる訓練・残された機能を最大限に生かせるリハビリテーションを行い、障害をもつ人たちの新たな挑戦を支えてきました。 しかし、これらのとりくみは、診療報酬の対象にならないなど採算性の低い部門です。今回の条例案では、現行水準を維持し、これらの機能を向上させていくことを担保する条項がありません。そのため、経費の削減が求められれば、障害者にとってなくてはならないこれらの機能が失われることになります。
現行サービス内容を一番知っている入院患者や施設利用者や職員の意見もきかず、県として専門職員の現行配置数の維持も示さないままプロポーザル方式で事業者を募集することは、運営水準を応募事業者まかせにすることにつながり、県の役割放棄にあたります。よって定県第69号議案は認められません。
また、神奈川県ライトセンター及び神奈川県聴覚障害者福祉センターは、第2種社会事業である点字図書館の運営や手話通訳派遣事業の他、情報のバリアフリー化をすすめる手話通訳者の養成、障害をもつ子どもたちへの検査や支援等を行っています。県は、今年度から10年間でとりくむ県障害者計画の中で、両施設について、「地域での支援センター機能を充実する」こととしており、現在の機能を更に拡充することができるように、職員配置と委託費の拡充を図るべきです。ところが、県は、このセンターの運営を預かる指定管理者に、営利を目的とした企業も参入できる道を開き、視覚及び聴覚障害者の福祉増進を図るための県の施設の役割を放棄しようとしています。目的に添った運営を最優先にするためには、現行の運営主体の水準を維持することが必要であり、ライトセンターは公益法人に、聴覚障害者福祉センターは社会福祉法人に限定すべきです。よって定県第71号、72号の各議案は認められません。
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A級活断層の位置を確定しないで、芦名産廃処分場建設を強行すべきでない
次は定県第75号から77号までの芦名産業廃棄物最終処分場建設の工事請負契約についてです。
この芦名産業廃棄物建設計画地は、県の地域環境評価書でA1ランクの優良緑地として評価され、首都圏近郊緑地保全区域と都市計画法の風致地区の二重の網がかかっているために、民間事業者が開発の手をつけられない地域です。計画地域には、活動度A級の活断層である北武断層などの多くの断層が走っています。しかも、この建設計画地の北武断層については、この処分場建設をするために廃棄物処理対策室が95年に行った活断層調査と地震対策課が専門家に依頼して96年に行われたで調査とでは、位置が違っていることがわかっています。地震対策課が行った活断層調査成果報告書では、処分場の侵出水処理施設をかすめるように、北武断層が走っているとされています。これらのことから、横須賀市からは、「活断層について、異なる内容の調査結果や学説がある場合、最終処分場の機能の維持に重要な施設をすべての活断層から離す必要がある。」との意見が出されまた。この調査結果のちがいは、住民からも指摘されましたが、実際の工事の段階では、活断層の位置を確認しないまま、建設工事が進められており、トレンチ調査等で事実関係を確認すべきです。
もともと産業廃棄物の処理は排出者責任で行われるべきものであり、この原則からも、財政難の中、県が良好な緑をけずって産廃場をつくるべきではなく、直ちに工事を中止すべきであり、よって定県第75号から77号議案は認められません。
定県第89号は、天皇の即位儀式への知事の公務参加をめぐる手当の返還、損害賠償代位請求事件の裁判にかかわる弁護士費用を負担するものです。
天皇の即位儀式は宗教行事であり、この宗教行事を政府が主催することは、憲法に定める政教分離の原則に反するもので、明かな憲法違反で、裁判所の判断は不当なものです。
また、このような宗教行事への参加は、知事に義務づけられたものではなく、知事が独自の判断でとりやめることもできたはずです。よって県が弁護士費用を負担することはみとめられません。
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政府に乳幼児医療費無料制度の創設などを求める請願は県民の当然の願い
次は請願についてです。請願第42号は、国に対して乳幼児医療費無料制度の創設と自治体で実施している医療助成等への国の減額調整の廃止を求める意見書の提出を求めたものです。県の調査でも希望する人数の子どもを産めない一番の理由は経済的負担が重いためとなっていますが、子どもの健康を守り、少子化対策を図るために全国の自治体で、小児医療費助成制度がつくられています。国が少子化対策をすすめようというなら、国として小児医療費助成制度を実施すべきであり、県も国に制度の創設をもとめています。ところが、国は、制度化を図らないだけなく、努力して小児医療費助成を実施している自治体に対して、各自治体の国民健康保険療養費の国庫負担金を削減する制裁措置を行い、2003年度では神奈川県内37自治体に対して約37億6千万円もの減額措置がされました。国に対して小児医療助成制度を創設し、自治体の努力に対する減額措置をやめるよう求めるのは当然で、この請願は採択すべきです。
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入学式・卒業式での「日の丸・君が代」の扱い方まで強制するのは、教育の自由を奪うもの
次に請願第46号「入学式・卒業式における国旗掲揚及び国歌斉唱の指導徹底についての請願」についてです。この請願は入学式・卒業式における国旗掲揚・国歌斉唱について、事細かに画一的な実施要領を全公立学校に押し付け、その実施要領に基づく実態調査を県教育委員会に求めるものです。1999年「国旗・国歌法」制定の国会審議の中で、総理大臣が国会で、「政府として、法制化に伴い,国民に対し国旗の掲揚、国歌の斉唱等に関し義務付けることは考えておらず、法制化により思想、良心の自由との関係で問題が生じることにはならない」とはっきりと答弁しています。また、請願には「国旗を掲揚し、国歌を斉唱するよう学習指導要領で定められています」として「壇上正面に掲揚する」とか「参列者が起立の上斉唱」などを示していますが、法的根拠もない学習指導要領でさえ、「国旗掲揚と国歌斉唱については、」「指導するものとする」としているだけで、日の丸の掲示の仕方や君が代の歌い方を具体的に示していません。
しかも学習指導要領には、「学校の教育活動を進めるに当たっては、各学校において、創意工夫を生かし特色ある教育活動を展開する中で、自ら学び自ら考える力の育成を図るとともに、個性を生かす教育の充実に努めなければならない」と明記されており、画一的に国旗掲揚・国家斉唱をおしつけるのは、この学習指導要領の立場にも反するものです。9月11日付けの神奈川新聞など各紙は、横浜弁護士会が神奈川県教育委員会に対して行った勧告について報道しました。その横浜弁護士会の勧告でも、県教委が各県立高校に対して行っている卒業式の国旗掲揚・国歌斉唱の状況の調査は「人権侵害を発生する恐れがある」として、特定の方法を提示し、具体的内容の調査を行わないことを求めています。 また、弁護士会の勧告は、日の丸、君が代に敬意を表することが自分の思想及び良心に反すると考える生徒や保護者がいることを前提にしなければ、「民主主義の土台をなす最も基本的かつ優越的な人権である」「憲法19条の思想及び良心の自由」が、保障されないことになり、人権侵犯が引き起こされるとしているのです。
県教育委員会が、請願にあるような儀式にあたっての画一的な要領によって、国旗掲揚、国歌斉唱などの実施を強制し、調査することは、政府の国会答弁からも、学習指導要領からも逸脱し、教育の自由を奪う最も恥ずべき行為となります。よって請願46号は採択すべきではありません。
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県立高校の削減計画を抜本的に見直すことを求める請願は、採択すべき
また、請願47号は「県立高校の削減計画を抜本的に見直すよう求める請願」ですが、私たち日本共産党県議団は、全ての子どもたちに豊かな教育を実現するために、地域の学校を無くすべきではないと、少子化を理由に進められてきた県立高校改革の統廃合に反対してきました。前期計画で進めてきた高校削減では、毎年1,000人規模の無業者を生み出し、入試での大混乱を繰り返し、子どもたちを苦しめてきましたが、その前期計画の検証は全く不十分です。また県教育委員会は人口推計で、公立中学校卒業生の数については65,000人規模で推移するといってきましたが、後期計画(案)発表にあたって、これからは子どもが増え、70,000人規模で推移していくと変更しました。今以上に子どもが増えるというのでは、少子化で高校をなくしていくという理由は全く成り立ちません。また、全国的に30人学級など少人数学級への進展が図られていますが、後期計画を進めてしまえば少人数学級を実施するときに教室の数が不足し,新たに学校を建てることが必要となります。県民の財産であり次代を担う全ての子どもたちに豊かな教育を実現していくためには、県立高校の統廃合を進める後期実施計画案は撤回すべきであり、請願第47号は採択すべきです。
以上 主な理由をのべて定県第67号、69号、71号から77号 89号、90号の各議案及び請願第37号、41号から43号、46号から48号の各請願に対する所管常任委委員会の審査結果に反対する討論を終わります。
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