日本共産党神奈川県議団
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県議会での取り組み2004年6月議会>2001年度一般会計・特別会計決算に対するふじたちえこ県議の反対討論
県議会での取り組み

2004年6月定例会

ふじたちえこ県議の反対討論

(2004年7月30日 本会議)

 私は、日本共産党県会議員団を代表して、定県第61号外3議案及び請願第32号外6つの請願に対する所管常任委員会の審査結果に反対する討論を行います。

津久井やまゆり園への指定管理者制度の導入は、利用者・家族等への説明責任が果たされていない

 まず、定見第61号・第64号は、県立津久井やまゆり園の指定管理者を指定することに関する条例改正です。昨年10月の地方自治法の改定で、これまでの管理運営委託制度が廃止され、一定期間を経ると管理者が替わり、また、受託指定事業者の裁量権がより大きい指定管理者制度が導入されました。県は、この指定管理者制度が、社会福祉施設の管理運営に馴染むかの検討をまったく行わないまま、県としての初の指定管理者制度を県立直営の津久井やまゆり園に定めて導入を強引に進めてきました。
 指定管理者移行をめぐってまず問題なのは、利用者・家族・関係者との合意と説明責任が果たされていないということです。障害者の支援費制度は、利用者本意の制度とされ、昨年4月1日の制度移行の際には、利用者一人ひとりに施設の運営内容等を説明し、多くの利用者が直営施設である県立津久井やまゆり園と3年契約を結びました。ところが、その契約を結んで1年も経たないのに、県は施設運営から撤退し2005年度から指定管理者にその管理運営を任せる方針を出し、利用者や家族一人ひとりに説明もしないまま議会に議案を提出し、議決を求めました。愛名やまゆり園の民間委託は、2年かけたにもかかわらず、津久井やまゆり園の指定管理者移行は事務手続き期間を除くと実質8ヶ月間しか移行期間がありません。もともと、県立直営施設の指定管理者制度への移行は「できる」規定で、急いでやる必要はまったくなく、県の強引なやり方に対し、家族会等が拙速導入せず白紙に戻すことと、議論への参加を求めた要望書を2月に知事に提出したのは当然の結果です。

指定管理者の選考過程に、関係者が意見を述べる条件がない

 さらに、指定管理者の指定基準や公募の条件の設定や選考の過程において、当事者・家族や地元関係者の意見が十分反映されなかったことも問題です。
 県が今年1月に出した「指定管理者制度に関する留意事項」では、「事業者の募集の際の条件の設定にあたっては」、「利用者の意見を幅広く聴取し、その反映に努める」ことになっていました。ところが県は、3月末に初めて家族会全体に説明した後、公募条件をまとめる間も与えず、4月8日には、事業者に対する公募条件を提示する現地説明会を開催しました。しかも、この説明会では、2月に出されていた公募条件ともなる地元食材納入業者代表から出された食材購入継続の要望書については、一言も説明しませんでした。そして、現在のサービス内容を一番知っている利用者・家族・職員には、応募事業者から出された施設運営に関する提案内容も示されず、選考委員にも入れず、直接意見を求められることもなく選考が行われました。選考過程で唯一行われたのは、5月中旬にようやくまとまった家族会の要望書を県指定管理者評価委員会の選考委員に配布しただけで、食材納入業者からの要望書は提示もされませんでした。

サービス水準維持の約束が、協定等に具体化されていない

 さらに問題なのは、家族会に約束したサービス水準の維持や家族会の要望、地元商店の要望等を生かして、県立施設としての機能を維持するための必要な具体的事項について、事業者との協定締結をさけ、指定事業者の裁量に任せようとしていることです。
 指定管理者制度は、指定事業者に大きな裁量権を与えています。しかし、条例・規則・協定等で規定することで、県としての管理運営内容に対する方針を実施させることは十分にできます。しかも、指定の取り消しや業績評価ができるのは、この条例・規則・協定に対する違反の有無等が問われるからこそ、県立施設としての役割を果たすために必要な規定を定めることが重要です。しかし、県は家族会から出された要望についても、確実な履行を図るための協定への規定についての意思を示しませんでした。また、県立直営施設は、これまで食事の食材のほとんどを地元も商店から直接購入して、地域経済にも貢献する役割を担ってきました。そして、今回、地元の商工会とやまゆり園の給食を40年間支えてきた食材納入業者からは、「開園以来、長きにわたる納入量は、営業量の大半を占める状況」で「大型店進出は数店を廃業に追い込み」「明日はわが店かに怯えている」「今後」も「品質の高い食材を納入すべく最大の努力と責任をつくす」から「継続のご配慮を切に願い申し上げます」と悲鳴にも近い要望が寄せられています。ところが県は、津久井やまゆり園が指定管理者制度を導入しても、県立施設であるのに、この役割を履行するための規定を協定に設けず、調理の全面委託をやるとしている指定事業者任せにしようとしています。これでは、県が現行サービスの水準は維持しますと言っても、県立施設としての方針を協定や規定等に明記せず、そのすべてを指定事業者の裁量に任せてしまうのでは県立施設としての役割を放棄するものです。地元食材業者からの直接購入の維持や家族会の要求書内容、そして、現行の朝夕の職員配置と日課の維持、日中活動のクラス数と職員体制の維持、現行の外出や年間行事の維持等、現行サービス水準を維持する事項については、協定に明記すべきです。

受託事業者は、県役職OBの受け皿法人

 最後に指摘したい問題は、受託した指定事業者の問題です。今回、指定管理者に応募したのは2法人だけでした。この中で指定の提案がされている「かながわ共同会」は、県立秦野精華園の民間委託の際に、既存民間法人をベースに、その受け皿として名称変更して設立された法人で、県立秦野精華園を受託して1年後には、ベースとなった民間法人は新たな法人をつくって共同会から撤退しました。その後、かながわ共同会は、民間委託された県立障害福祉施設のすべてを受託し、現在、県立民営施設しか施設運営はしていません。そして、この間、障害福祉課の課長OBなど、県の役職OBが、法人内の施設長や法人理事に就任してきました。そして、現在の法人理事長は98年まで副知事をやっていた方です。県は、指定管理者選考の透明性、公平性を図るためとして「指定管理者に応募する法人への県の関与の見直し、知事等特別職及び部局選定会議で議決権を持つ部長等も指定管理者に応募する法人の役員には就任しない」という方針を出しましたが、これは、透明性・公平性から当然ですが、ここには県の役職OBは含まれていません。しかし、今回の事例を見れば、かつての上司の法人を、現職の部下が選定することになるわけですから、客観的に見て、本当に公平性が保てるのかと県民から疑われても仕方ないものです。
 さらに、今回の指定管理者の選考にあたっては、受託法人には、一定数のベテラン職員を確保していることが選考基準の1つに入っていました。ところが、かながわ共同会は、県が指定管理者の事業者指定の内容を通知した後で、知的障害者施設協会の会合で、他の社会福祉法人の施設役員に経験ある職員を派遣してほしいという趣旨の文書を配布していたことが明らかになりました。このことは、法人内ではベテラン職員を確保できないことを自ら明らかにしたものであり、選考基準に合致していないことは明確です。しかも、この文書の配布は、5月の末で受託指定事業者の対外的な公表も議会への議案提出もされていない時期でした。県への相談もなく、議決を経れば津久井やまゆり園を受けることになったことを明記して対外的に明らかにしたものでした。県は、この会議に同席していながら、この共同会の文書配布を容認するとともに、他の社会福祉法人への経験ある職員の派遣要請を県も一緒にお願いしている経過は、県との関係の深さをうかがわせるものです。 このような県の役割を後退させる指定管理者制度の拙速導入をやめ、現行のサービス水準を維持し、広域拠点としての役割を果たすために県立津久井やまゆり園は県立県営を維持すべきであり、定県第61号・第64号議案は認められません。

一般財源化による県立看護師養成学校の特別奨学金制度の廃止は認められない

 次は、定県第62号神奈川県立看護師等修学資金貸付条例の一部を改正する条例についてです。国は、今年度から国庫100%の特別修学資金を、地方公共団体設置の看護学校のみ、各自治体毎に地方交付税措置で実施するように要綱改定を行いました。この条例改正は、国の要綱改定を受けて地方交付税措置で継続せずに、この特別奨学資金を廃止しようとするものです。
 この特別奨学資金は、僻地等規模の小さい病院棟へ5年間勤務しないと返還免除にならないなど返還免除規定が厳しいため、応募者は募集定員とほぼ同程度です。しかし、特別奨学金は、応募者の半数以上が受給できない一般修学資金の不支給者の受け皿ともなるとともに、僻地診療所等における看護師確保の役割も果たしてきました。この県立看護師養成学校での特別奨学金を廃止することは、資金枠が少なくて一般奨学資金を受けられない人の奨学金受給枠を狭めるとともに、当面の僻地医療等への看護師配置枠をも狭めるものです。地方交付税措置により実施ができる以上、県として特別奨学金制度を継続すべきであり、一般財源化を理由に地方自治体立学校への特別奨学金を廃止するこの条例改正は容認できません。

中小企業労働研修センターは、住民利用施設として存続を

 次は、請願37号神奈川県中小企業労働研修センター存続についての請願です。現在、同研修センターは、近隣住民にとって欠くことのできない文化活動等の拠点になっており、地元への貢献度が多大なものであると施設利用者の高い評価を受けています。県は労働研修センターとしての役割が終わったとしていますが、住民は、住民利用施設として建物が引き続き存続することを望んでいるものです。県としては、数少ない県の市民利用施設であり、地元住民の大きな支持を受けているのですから、その声に応えて住民利用施設として存続していくべきです。

青年の雇用実態の改善を求める請願は採択すべき

 次は、請願39号の1〜3までです。この請願は、青年の就職・雇用・生活実態の改善を求めるものです。神奈川県は、34歳以下のフリーターが33%と全国で2番目の高さです。この青年のうちの7割は正社員を希望しながらもやむなくフリーターになった青年です。今ほど、青年が人として自立した暮らしをしたいという当たり前の願いに応えていく県としての取り組みが強く求められている時はありません。また、県は、次世代育成支援対策推進法に基づいて、県の地域行動計画を策定し、また、特定事業主としての行動計画も策定します。この中で青年対策として時代の親の育成についても計画をたてるものですが、青年が将来に希望を持って生きていくことのできる雇用や安定した生活、生きがいある働き方の保障は、時代の親の育成を考えていくときにも欠かすことのできない条件です。県として、独自に青年雇用を増やし、雇用促進のための職業訓練を誰でもが受けることのできるように充実させていくこと、生活保障である最低賃金の引き上げなど、積極的に行うべきで当請願は採択するべきです。
 以上主な理由を述べて、定県第61号から64号、及び請願第32号、35号、37号、38号、39号の1〜3の所管常任委員会の審査結果に反対する討論を終わります。