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2004年2月定例会
かわの幸司県議の新年度議案・請願に対する反対討論
(3月24日 本会議)
私は、日本共産党県会議員団を代表し、定県第1号議案外22の議案並びに請願9号外14の請願に対する所管常任委員会の審査結果に反対の討論をおこないます。
まず第1に、定県第1号議案 平成16年度神奈川県一般会計予算についてです。
新年度予算案は、松沢知事になって最初の本格的な予算として、どのように編成されるのか大変注目されました。知事は選択と集中で予算案を編成したとしましたが、福祉や教育に冷たいその一方で、知事公舎設計費の予算化と議員の海外視察の復活、公共事業費の増額など、選択と集中の仕方が県民の期待から大きくかけ離れたものとなっています。
生保世帯への慰問金をバッサリ、福祉・教育に冷たい新年度予算
第1は、福祉、教育の施策についてです。
新年度の民生費を見ると、介護保険給付費負担金71億5,100万円、児童手当負担金22億7,600万円、生活保護扶助費負担金8億9,700万円など、自然増による義務的経費が100億円以上の増加となっています。ところが、民生費全体では76億円の増加に圧縮され、その結果、多くの県民向け予算が削られることとなりました。
例えば、 生活保護世帯に対する慰問金です。生活保護世帯の72%が単身世帯で、その中で高齢者、傷病者、障害者が7割を占めています。県はこれまで国の生活保護世帯に対する給付水準が低いことを考慮し、1960年に夏と年末の慰問金の給付を開始、1982年に4,000円に増額し、生活保護世帯の生活を支援してきました。
小泉内閣は、昨年4月から生活扶助費を0.9%引き下げ、新年度の予算でさらに0.2%引き下げようとしています。こうした国の施策は、生活保護世帯の生活を一層厳しいものにしています。
県福祉部が発行している冊子「神奈川県の生活保護、平成15年度版」では、生活保護法による生活保護世帯の生活水準は、日常生活の実態においてなお十分満たしがたい生活上の需要が見られるとして、県の慰問金による生活保護世帯への支援を位置づけています。
ところが県は、生活保護世帯に対する慰問金をバッサリと切り捨て4億8,200万円の削減をおこないました。しかも、県が生活保護世帯の慰問金を廃止したため市町村でも独自の慰問金の廃止がおこなわれることとなり、生活保護世帯にとってダブルパンチを受けることになります。
この問題は「めり張り、弱者直撃」とマスコミでも取り上げられたところですが、生活保護世帯に対する慰問金の廃止は、知事の福祉に冷たい姿勢を示したもので絶対に容認できません。
また重度障害者医療給付事業費補助は、市町村からこれ以上の削減をしないよう要望が出ているにもかかわらず、新年度も補助率を引き下げ6億4,263万円も削減、ひとり親家庭医療費助成制度補助も、政令市と中核市に対して補助率を引き下げ1億2,368万円の削減を強行しました。
また、高齢者福祉の分野でも、特別養護老人ホーム等整備費は28億2,325万円で、今年度の37億778万円に比較し、8億8,452万円削減しています。昨年10月1日の調査結果では、県内の待機者は1万9,746人となっていますが、県が実施した特別養護老人ホーム待機者調査では、すぐに入りたい、半年後に入りたい、1年先までには入りたいが合わせて74.8%になっています。この比率で計算し待機者の解消を図るためには、少なくとも1万4,770床の特別養護老人ホームの整備が必要となっています。
松沢知事はマニフェストで、特別養護老人ホームの待機者をゼロにしますと公約しました。ところが、新総合計画諮問案では、2006年度までの特別養護老人ホームの整備目標は、7,335床にとどまっています。しかも、新年度予算案では特別養護老人ホームの整備費は削減し、保険料、利用料の減免制度の創設などの低所得者対策もとられず、在宅サービスが必要なだけ利用できるデイサービス、ショートステイなどの基盤整備と利用支援策も講じられていません。
児童虐待の相談件数が増加している中で、児童相談所の体制強化は緊急の課題となっています。県は、2002年度に国の地方交付税積算基準にあわせて児童福祉司を8名増やしました。しかし、その後、国の積算基準が引き上げられ、新年度も引き上げを予定しているため、新年度は国の積算基準に比べ、児童福祉司が12名も不足することになります。
知事はマニフェストで、児童相談所の専門職員を121名から157名にふやすと公約していますし、予算委員会での私の質問に対して知事は、157名の職員配置について、そのような方向に向けて努力していきたいと答弁しています。
しかし、新年度の児童福祉司の増員はわずかに2名で、国の積算基準による12名増員にはほど遠い状況となっています。知事は、公約どおりに専門職員を増員すべきであり、新年度予算案での取り組みでは極めて不十分だと言わなければなりません。
次は、教育の問題です。
県教育委員会は、研究校における国の加配教員に対する弾力的運用を受け、新年度から小学校1年生における35人以下学級の編成のために活用する方針を打ち出しました。この方針を受け、県全体で90校が実施に向けて取り組むことになっています。しかし、小学校1年生以外では弾力的運用がなされず、中学校での取り組みもなされていません。また、全国では、多くの道府県で何らかの形での少人数学級の取り組みがおこなわれ、長野県は小学校6年生までの少人数学級の実施となっていますが、神奈川県として独自に少人数学級に足を踏み出していないのは問題です。
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知事公舎設計費と海外視察やめ、県財政再建の先頭に立つべき
第2は、知事公舎の建設と議員の海外視察の復活についてです。
知事は提案説明の中で、予算編成の基本の第1に財政健全化の堅持を挙げ、新年度の財政状況について、県税収入が増加に転じているものの、実収入でみると、2年連続で字決算となった平成10年度、11年度とほぼ同じで、極めて厳しい財政状況となっていると述べました。そして、予算委員会などでも県財政の厳しさの認識を繰り返し明らかにしました。
ところが知事は、財政状況が厳しいことを理由に凍結してきた知事公舎を建設するための設計費1,100万円を計上いたしました。しかし、財政状況は変わらないのに、なぜ知事公舎を建設しなければならないのか、納得できる説明はなされませんでした。
また、防災上、知事が歩いて30分以内に県庁に行けるところに知事公舎が必要だとされましたが、それでは知事公舎ができるまでの2年間、川崎市高津区に住んでいる知事が十分に対応できるのか、こうしたことについても全く説明がなされませんでした。
知事公舎の設計費については、一般質問、予算委員会でも多くの会派から意見が出されました。そして最終的には、知事が総務企画常任委員会に出席し、検討委員会をつくり、議会の了解を得て設計に入りたいとの答弁をしました。知事の常任委員会での答弁は、話し合いを通じて、あくまでも知事公舎の建設を進めようとする回答であり、私たちは、この答弁をもっての決着を認めることはできません。
議員の海外視察も検討委員会をつくって必要性について検討するとのことですが、議員の海外調査の費用は年間2,555万円、4年間でみると1億220万円で、議員1人の平均で95万円もかかるものとなっています。凍結される前の1議員当たり140万円と比較すると少なくなっているとはいえ、やはり多額の費用だと言わなければなりません。
議員の海外視察については、議員のボーナス20%削減の中止とあわせ、県民から強い批判の声が出されています。財政再建の先頭に知事と議員が立つべきであり、知事公舎の設計費と議員の海外視察費は削除すべきです。
マニフェストの数値を上回る公共事業費増額は公約違反
第3は公共事業費についてです。
岡崎前知事のもとで、県単土木を含む公共事業費は1998年度の2,144億円から毎年削減し、今年度の当初予算では1,153億2,462万円となりました。ところが松沢知事は、9月補正で143億9,730間年増額し、新年度予算ではさらに4億6,863万円増額しました。知事はマニフェストの中で、県単土木を含む公共事業費を削減し、2004年度には1,294億に抑制すると県民に公約しました。
予算委員会で私は、マニフェストのこの部分を取り上げ、新年度の公共事業費は知事のマニフェストに書かれている数値を上回っている、公約違反ではないかと追及しました。ところが知事は、上の点線の中に書いているのがマニフェストの約束事項であって、下に書いてあるのはその説明をしているわけですと驚くべき答弁をしました。説明だから約束でないなどとの見解が通用するはずがありません。新年度の公共事業費はマニフェストの数値を上回っており、公約違反であることは明確です。
ところで知事は、本会議の答弁などで、公共事業等については厳しい財政状況を考慮して、引き続き抑制基調を基本としつつ、国の事業を活用することによって、本県の財政負担を抑制しながら必要な施策を進めると答弁しました。しかし、一般会計の公共事業費等における県単土木、国直轄事業負担金、公共事業における県の負担分、この三つを合わせた県の負担分は、新年度が924億3,129万円で、今年度9月現計と比較し15億7,785万円増えています。また、公共事業費等の総額に対する県の負担割合は、新年度が71.3%で今年度の70.3%と比較すると1%増えています。新年度の一般会計の公共事業費における県の財政負担は、負担額においても負担割合においても、今年度に比較して増えていることを示しており、知事の議会答弁が事実に反していることを示しています。
また公共事業費は、財源はほとんどが県債に頼っているわけですから、県財政を再建させる立場からも、自動車専用道路の建設など大型公共事業は見直しをすべきです。
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津久井やまゆり園、中井やまゆり園は、県立県営で存続すべき
定県第40号議案 神奈川県立の知的障害者援護施設に関する条例の一部を改正する条例についてです。
この条例の一部改正は、県立県営施設である津久井やまゆり園、中井やまゆり園を含め、指定管理者制度により指定管理者に委託することができることを定めるものです。
県は今年2月の行革の方針の中で、2005年4月に津久井やまゆり園に指定管理者制度を導入をすることを始めて明らかにしました。そして、このことを家族会の役員に説明しただけで、2月定例会に条例の改定の提案をし、6月定例会で指定管理者の議決を得るための作業を進めています。
これに対して津久井やまゆり園の家族会、兄弟姉妹の会などの関係9団体が、2月26日に知事に要望書を提出し、指定管理者制度の導入については再考し取りやめること、指定管理者の導入については、その是非も含めて利用者・家族・県民・職員参加の新たな検討の場を設けることの2点を求めています。この要望は、40年間、県立県営で運営されてきた津久井やまゆり園が、指定管理者制度という新たな制度のもとで運営されることになるわけですから当然の要求であり、県はこの要求を真摯に受け止めるべきです。
ところが県は、家族会などの理解や合意が得られていないにもかかわらず、また、議会で指定管理者制度への移行について議決されていないにもかかわらず、3月1日付けで津久井やまゆり園を指定管理者に移行するための検討会まで設置し、既に第1回目の会議もおこなっています。まさに、先に指定管理者制度の導入ありきで、家族会や関係者への説明責任も放棄したやり方は容認できないものです。
しかも県は、家族会の役員にサービスは低下させないと説明していますが、県立愛名やまゆり園がかながわ共同会に痛くされた後、サービスがどのようになったのか十分な把握はされておらず、条例案でも現行の機能や専門職員の配置が担保されるものとはなっていません。
津久井やまゆり園は、県立県営施設として地域の中で重要な役割を果たしています。津久井地域は、地域作業所やグループホームなどの社会資源が不足している中で、津久井やまゆり園は地域のすべての障害者に対応できる体制を確保し、地域における広域的専門的役割を果たしてきました。津久井やまゆり園と中井やまゆり園については、県立県営を維持すべきであり、この条例には反対です。
年金制度改悪案反対の請願は採択を
次に、請願についてです。
請願13号から請願16号までは年金制度の改悪に反対する意見書を国にあげること、請願24号は最低保障年金制度の創設を国に求める意見書の提出を求めたものです。相次ぐ年金改悪による支給年齢の引き上げや年金額の引き下げは、年金制度に対する国民の不信感を増大させ、保険料未納者の増大など年金の空洞化を進める結果となっています。さらに国は、今年4月から年金の支給額を0.9%引き下げ、保険料徴収に総額制を導入し、年金受給者や現役労働者の生活に影響を与えています。しかも、政府が国会に提出している年金改革法案は、国民年金保険料を13年間毎年引き上げ、厚生年金の保険料は13.58%から18.30%に引き上げるものです。その一方で、既に年金をもらっている人も含め、年金給付額を2023年までに15%引き下げるものです。また政府は、基礎年金への国庫負担2分の1を先送りにし、年金課税で年金生活者への増税を押しつけ、将来的には消費税増税で財源確保を進めようとしています。
年金積立金の活用では、株式投資の失敗で6兆円の損失を出すなどさまざまな問題が出されていますが、その責任も問われないままになっています。
日本世論調査会の調査によれば、政府の年金改革案に対して、「安心できない」「あまり安心できない」が合わせて83%、保険料の値上げについても「反対」「どちらかといえば反対」が68%にも達しています。そして、保険料値上げ反対の理由は、「施設など無駄遣いの解明が不十分」が47%、「幾らもらえるかわからない」が46%と、運営や制度に対する疑問が多く占め、政府の年金改革案が国民の支持を得ていないことが明確になっています。
国民の年金に対する信頼を回復するためには、国民に新たな負担を強い給付額を削減する政府の年金改革案を廃案にするとともに、最低保障年金制度を創設することが必要です。これらを求めた請願13号、14号、15号、16号、24号は採択をすべきです。
以上、主な理由を述べ、定県第1号議案、2号、3号、5号、9号、15号、16号、18号、19号、21号、24号、25号、28号、33号、35号、38号、40号、45号、46号、49号、50号、52号、53号の各議案、並びに請願第9号、13号から16号、19号−1と2、20号−2、23号、24号、26号から30号の各請願の所管常任委員会の審査結果に反対をします。
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