| 2003年12月定例会
14年度公営企業決算及び神奈川県病院事業決算の
認定に対するみわ智恵美県議の反対討論
(2003年12月10日本会議)
私は、日本共産党県議会議員団を代表して、平成14年度神奈川県公営企業決算及び神奈川県病院事業決算の認定に反対の討論を行います。
過大な水需要予測にもとづく事業、誤りと認めよ
最初に、水道事業についてです。日本共産党県議団は、総額9,610億円となる宮ヶ瀬ダム建設や相模川水系建設事業が過大な水需要予測のもとに進められてきたことを指摘し、事業の見直しと、むだな投資をやめるよう厳しく求めてきました。
2002年度は、宮ヶ瀬からの本格受水が2年目を迎え、このことが水道事業の経営をさらに圧迫し、前年度より8億2,300万円も損失を大きくし、33億6,065万円もの純損失を計上することとなりました。
県と神奈川県内広域水道企業団が策定し、1995年3月発行の「相模大堰」のパンフレットでは、1997年度には既存の水源だけではほとんど余裕がなくなり、宮ヶ瀬ダムによる新たな水源が必要だとしていました。しかし今回の決算特別委員会では、宮ヶ瀬ダム関連事業のあり方に対して、まさかの事態に備えるためのものとの答弁がされ、時とともに説明が変わってきていることが明らかになりました。つまり宮ヶ瀬ダム建設は県民に説明してきた「水が足りなくなるから」ではなかったことを示したのでした。また、そのことを誰の目にも明らかにしているのが1日最大給水量の推移です。
1992年は宮ヶ瀬ダム建設前ですが、神奈川県、横浜市、川崎市、横須賀市の四水道事業者を合わせて381万6,042トンでした。これは、過去最高の1日最大給水量です。
その後、給水実績は減少傾向であり、昨年の1日最大給水量は338万317トンでした。10年間で43万トンも減少し、水需要実績が宮ヶ瀬ダム完成以前の水供給力で充分間に合っていたことを示しています。
こうした事実を覆い隠すために企業庁は、1日最大給水量の水増し捏造を行いました。また、1993年の相模原浄水場の1日最大給水量は46万6,800トンですが、2002年度は37万2,700トンでこの10年で10万トン近い減少です。ですから現在行われている第一期工事のうち12万1,000トン増やす相模原浄水場の増強工事は必要の無い工事といえます。
企業庁は、水需要の実績を直視し、企業団の事業見直しを求めるべきでした。工事を続けていった結果として、水道会計は、2002年度決算でも前年と同様に、宮ヶ瀬からの本格受水が始まったことによる受水費の増加が、赤字決算の大きな要因となっていますが、本年度企業団が行った料金改定では、さらに値上げがされました。受水費の基本料金となる基本水量を直営事業分で水需要が伸びていないにもかかわらず、3万640トンひき上げ、その上寒川事業分を加算し、結果として、受水費は決算年度より、さらに5億600万円増えています。ちなみに横浜市は11億1,500万円、川崎市は16億9800万円減額されています。受水費がひき上げられているのは、県と横須賀市となっており認められません。さらに、相模原浄水場が完成すると2006年度は基本水量が5万6,700トンも引き上げられます。
水需要がなくても実際行った工事費用から、受水費は算定されるので、過大な水需要予測に基づいてすすめられた事業は、給水収益が上がらなくても支払うように計算されます。こうした事業のあり方は問題であり、間違ったことは間違っていたとはっきり認めて、改めるべきです。
企業団に受水費の抑制を図るあらゆる努力をすること、高利の融資に対する借り換え制度の適用をさらに図っていくことを国に強く求めていくべきです。宮ヶ瀬ダム関連の事業の責任は県と企業団にあります。過大な事業に対する反省も無く、その開発事業によって、水道事業の赤字を増大させながら、最終的には、水道料金の値上げなどによって、県民負担を引き上げるような状況を作り出している2002年度公営企業決算は認めるわけにいきません。
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県民の期待に応えるためにも、一般会計からの負担金を繰り入れるべき
次に病院事業会計についてです。
こども医療センターは収益性がなく企業会計になじまない重症心身障害児施設、肢体不自由児施設と一体運営するため特別会計としてきましたが、2001年度、新棟建設を始め大きな資金が必要になったところで、病院事業会計に入れました。収益性の少ないこども医療センターが、他の県立病院の経営を圧迫することになるのは明らかでした。質疑の中で明らかになったのは経費節減のために病院機能の中枢を担う看護体制が後退していることです。100名を超える中途退職者、産休、育休が多い中で高度専門医療を担う看護体制を安定的に保障してきたのは調整要員看護師の採用でした。しかし、2002年度は、この調整要員も採用せず、随時採用も行いませんでした。この間、日本共産党県議団が一貫して求めてきた、看護師月9回以上夜勤の問題を改善すべきだということに対して、8回以内におさまるようにするとくり返し答弁しながら、2002年度も月平均80人以上が月9回以上の夜勤を行っており、未だに改善できていません。それどころか、「1人、年間平均すれば8回になる」との答弁は、現実の9回以上夜勤者が常時存在していることに正面から取り組んでいないことも明らかにしました。又、資本的収支への一般会計からの負担金のうち、病院債償還金の2002年度分は、国の通知によって計算すると、14億1,800万円のはずですが、実際は5億9,900万円減額されています。2002年度だけでなく、これまでの6年間はこの病院債償還金が一般会計からまったく繰り入れられていませんから、75億3,400万円が本来は一般会計から繰り入れられるべきであったのに繰り入れられていなかったことが分かりました。
そもそも、公営企業法3条では、 経営の基本原則として、「企業の経営性を発揮すると共に、本来の目的である公共の福祉を増進するように運営されなければならない」としています。そのために、経費の負担の原則として、「地方公共団体の一般会計または他の特別会計において」「負担するもとのする」と規定し、政令で、「看護師の養成事業に関する経費」や「病院の所在する地域における医療水準の向上を図るため必要な高度または特殊な医療で採算をとることが困難であると認められるものに要する経費」をしめしています。そして、国から出される、一般会計からの繰り入れるべき基準を定めた、依命通達には、新棟建設等の病院建設のための病院債償還金元金の3分の2、精神病院、福祉施設の場合は、全額一般会計から繰り入れることになっています。このような繰り入れ基準に基づいた負担金の繰り入れが行われなかった中で、医療機器の購入や、更新、設備改修の資金である内部留保金が大幅に減少し、高度専門医療としての機能強化を図ることができるのか大きな問題となっています。
決算審査意見書でも一般会計からの負担金の一層の適正化を図るようにと示されています。また、意見書には、2002年4月の診療報酬等が全体として2.・7%引き下げられる改定で、8億3,239万円もの収益減が見こまれるという中で、収益確保策を講じて、入院収益の増収を図り医業収益の減少を最小限にとどめるなど経営努力が認められるとされています。しかし、効率経営、経費削減の名のもとに、患者さんの命にかかわる看護師の夜勤月8回以内体制が、民間のお手本としておこなわれなければならない県立病院で、依然として改善されない実態であることは問題です。
高度専門医療をにない、県民の期待にさらに応える県立病院の役割りを果たすためにも一般会計からの負担金は国の通知どおりに行い、病院事業会計の健全財政を構築し、看護師の適正配置や高度医療機器の設置や,整備を十分に行うべきでした。よって、2002年度病院事業会計決算を認めるわけにはいきません。
以上主な理由を述べ、平成14年度神奈川県公営企業決算及び神奈川県病院事業決算の認定に反対の討論を終わります。
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