日本共産党神奈川県議団
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県議会での取り組み2003年12月議会>ふじたちえこ県議の文書質問と回答
県議会での取り組み

2003年12月定例会

暴走族等の追放の促進に関する条例(案)について

青少年問題の解決策は大人の側にこそ

【ふじた県議】
 2002年3月に青少年問題協議会は、青少年の犯罪や問題行動についての社会的関心の高まりをうけて、関係者からのヒアリングも行い「青少年の成長を見守るための5つの提案」をまとめています。この提案では、非行等の青少年問題の背景に、大人自身の問題や社会の様相の変化が大きく影響を与えているとし、青少年を受け止める3つの視点として、「問題行動を現象面でとらえずに、そこに至った経緯を解きほぐし、周りにいる大人が理解しようとすること」「学校、家庭、地域等様々な場面で、大人の信頼と連帯で安定した関係が青少年を支える大きな力になっていくこと」「青少年が様々な経験を経て個を確立する過程を見守り、青少年を支え、自立を促す視点を大人がもつことが大切」とされています。また、提案では、(1)大人が青少年に伝えるものは何かの議論を高める取り組みを行政が進めること、(2)精神的に自分の居場所と考えられる多様な居場所づくりが重要で、行政として様々な受け皿の確保とその普及を行うこと、(3)思春期の子どもの問題を親が孤立して家庭の中で抱え込まないよう、青少年の各年代に応じた子育ての情報提供や相談などの取組を行政が専門機関と連携しながら進めること、(4)中高生の保育体験や家族を考える機会を設け、行政が若い親を対象とした子育ての啓発事業を考えること、(5)行政は青少年問題の事例研究とその発表の場を積極的につくり、可能な限り情報を公開することを提案をしています。
 この様に、暴走族を含めた青少年問題の解決策は、大人の側にあり、3つの視点の啓発活動と5つの提案の実施こそ暴走族も含めた青少年問題を根本的に解決する方向と考えますが、知事の見解を伺います。また、県行政の中で、この青少年問題協議会の提案内容を具体的にどのように実施しているのか、併せて知事の見解を伺います。
【回答】
平成12・13年期神奈川県青少年問題審議会の報告では、青少年の問題行動の背景にある多様な要因について理解し、正面から受け止めることの重要さが示されており、そうした、提案については、青少年問題をテーマにしたシンポジウムなどによる啓発や議論の場づくり、高校における保育体験、相談機関の連携会議における事例研究会などで具体化されております。

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青少年の「居場所」づくりが求められる

【ふじた県議】
  暴走族等で捕まった少年等の心の内を聞いている弁護士は、「暴走族が悪いなんてことは少年はよく知っている。自己アピールとしてわざわざ目立つようにして暴走行為を行っている」と述べています。また、「少年を捕まえても捕まって出た後の行き場がなく、また戻っていくのが実態だ。暴走族にしか自分の存在意義を感じられる集団や居場所がないからこそ、集団生活ができて仕事ができる場があれば、暴走族から抜けられるのです。本人の自己肯定感がもて、心から安心できる居場所づくりがまず先ではないか」と指摘しています。暴走族に入っている少年をもつある母親は、「学校でトラブルがあった時、学校から言われることが正しいと思って子どもに接したことで、子どもは、学校にも家庭にも居場所がなくなって暴走族に入った。子どもを何とかしたいと一番考えているのは親である。しかし、どんなに行くなといっても出て行ってしまう。地域からは白い目で見られ、学校からいろいろ言われると、いっそこの子さえいなければと子殺しや自殺も考えることさえある。子どもにもこの気持ちが伝わって、『どうせ俺なんか』と子どもも居場所がますますなくなる。親がもし本人の気持ちを受け止めずに、色々言うようになると子どもはもっと手の届かない遠いところに行ってしまう。だから親だけは、子どもを受け止めたい。現状でさえ、親しか子どもの気持ちに寄り添えない中で、親や学校、地域住民に責務が課せられることで、家族も本人も、ますます孤立し追いつめられる思いがする。」と心境を述べていす。このことは、単に保護者に責務を課しただけで問題は解決をしないことを示しています。
 今、求められているのは、地域が青少年を暖かく見守り、社会人として自立が図れるような関わりがもてる地域社会をつくることであり、暴走族にいた少年も含めて青少年が地域で安心して生活でき働けるなどの居場所をつくることだと考えますが、居場所づくりについて知事の見解を伺います。
【回答】
青少年の居場所づくりについては、安全・安心まちづくり推進体制のもとで、青少年の総合的な支援を行う仕組みづくりの検討を進める中で考えてまいります。

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現行法で可能な取り締まりさらに多くの県民議論を尽くすべき

【ふじた県議】
 日本共産党県議団は、暴走行為等の違法行為が県民に甚大な騒音被害や迷惑をかけており、取り締まりは当然だと考えます。しかし、今回出された暴走族条例(案)は、必要性、情報公開などの手続き、条例文にも問題があるものです。暴走族のグループ数及び把握総員数は、2000年81グループ、1,720人から2002年53グループ、1,003人と減少しています。県民が望んでいるのは、暴走行為や危険走行の取り締まりの強化ですが、これらの犯罪は、現行の道路交通法、運送車両法、刑法等で十分にとりしまることができるものです。実際、11月28日には、暴走族を脱退しようとした高校生から60万円を脅し取った元リーダーなどが恐喝容疑で逮捕されています。しかし県民からは、現行法での十分な取り締まりがされていないという意見があがっています。条例制定の趣旨には、「現場検挙を主眼として取り締まりの強化としている」が、県警は、これまでも暴走行為を止めるのは危険だとして現行犯逮捕をしてきませんでした。そして、条例ができても公園などで現行犯で捕まえることは困難なのが実態です。
 条例内容そのものにも問題があり、例えば、他の条例と比べても、「保護者」「事業者」「駐車場、空き地の管理者」など責務が課せられる対象が幅広い上に、特に保護者に対して過度に具体的な責務を課していること、民間の駐車場、空き地の所有者にも具体的な責務を求めていることです。また、暴走族を「暴走行為を行うことを目的として結成された集団」としていますが、「集団」の要件が明確に示されていないにもかかわらず、加入に関して重い刑罰を課し、さらに条例案12条は、暴走族の規定以外の人も対象となる上、ぞれぞれの要件が不明確で、特に「正当な理由なく」「不安を覚えさせるような方法で携帯」等、人の主観にかかわる構成要件で刑罰を課すことは不適切で、罪刑法定主義に反していると考えます。これらの点について併せて見解を伺います。
 また、青少年育成の観点から、条例細則の策定では、青少年問題の専門家や弁護士等の意見を反映させると共に、基本方針は、県民部青少年課が中心となり児童福祉審議会、青少年問題協議会、暴走族から抜けた少年や非行少年をもつ親の意見や関係者等を入れた検討委員会をつくり、幅広い県民意見も集約して策定するべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 条例の制定によって県民が保護者を叱責するような言動が助長されたり、学校や警察が保護者を呼び出し脱退や外出させないよう何度も指導するなどして、家族、本人を追いつめたり地域から排除されるような状況はつくられないのか。また、青少年に対する職務質問や事情聴取は、国連子どもの権利条約の規定が守られると共に、ビデオ等で聴取方法と内容が再確認できるようにすることが必要と考えますが、併せて知事の見解を伺います。
 また問題なのは、この条例(案)が広範な県民に責務を課しながら、県民の十分な議論がされていないことです。任意団体である交通安全対策協議会の専門委員会の議事録はなく、会議資料も公開されないまま、最終報告書に県民意見の募集が行われただけで、その意見がどう生かされたかも明らかにしていません。その上で、条例骨子が9月定例会で関係常任委員会に示されましたが、県民への公開も意見収集も行わず12月定例会で決定することとしています。これは余りに拙速であり、今議会では決めずに、さらに多くの県民の議論をつくすべきと考えますが、知事の見解を伺います。
【回答】
 責任規定については、従来から、暴走族追放の対策・運動の中で、県民の皆様方にそれぞれの立場から取り組んでいただいてきた内容を改めて位置づけたもので、この条例がめざす「県民総ぐるみでの暴走族のいない社会の実現」を担保するために欠かせないものであります。
 この条例案における暴走族の概念については、既に条例制定済みの他道府県と同趣旨であります。また、暴走族に加入した者に対する罰則は規定しておりません。
 また、第12条の規定は、暴走族であることが外観の特徴等から明らかな者が、凶器となりうる金属バット等を威圧的に携帯することを抑止し、善良な県民の暮らしの安全を守ることを目的として規定したものであります。
 さらに、各条文については、十分に検討を重ねてきたものであります。また、関係機関の審査も受けており、適法なものと考えております。
 暴走族対策全般については、かねてから県民部交通安全対策課が中心となって、青少年関係、教育関係等の機関や団体のご意見も聞きながら、幅広く県民意見の集約を図ってきた経緯があり、今後とも、こうした整理を踏まえて、基本方針の早期策定に努めてまいります。
 自らの監護のもとにある少年が暴走行為に参加したり、暴走族に加わった場合、何とかしようと思うのが保護者や家庭のごく当たり前の対応であって、この条例では、そうした保護者等の役割を明らかにし、保護者等の努力を応援する仕組みづくりに配慮したところであります。
 また、暴走族は、暴走行為をはじめとする悪質かつ凶悪な様々な犯罪行為により、県民の安全と平穏を害しております。これに対し、県民がそれぞれの立場から主体的に取り組むための役割を明確にしたものが「責務」であり、暴走族のいない社会を実現することが、少年の健全な育成にも寄与するものと考えております。
 条例の必要性についてご検討いただくために、平成14年3月に設置した神奈川県交通安全対策協議会の暴走族問題専門委員会のメンバーに、横浜市、川崎市、公立中学校校長会会長、県立高等学校PTA連合会会長などにも加わっていただいたほか、条例案を取りまとめていく過程では、節目節目で、市町村はじめ関係機関・団体のご意見を伺っております。
 さらに、県民意見を反映するために、平成15年7月から8月にかけての約4週間にわたり、パブリックコメントを実施し、罰則の強化や条例の早期制定など117件のご意見をいただき、条例への反映に努めました。なお、県民の皆様から寄せられたご意見の中に、条例の制定に反対するものは、一件もありませんでした。

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