ふじたちえこ県議の議案に対する反対討論
わたくしは、日本共産党県議団を代表し、定県第64号議案、他4つの議案に対する所管常任委員会の審査結果に反対する討論をおこないます。
補正予算は、県民生活優先に
まず第1は、定県第64号議案、平成15年度一般会計補正予算についてです。
補正予算は総額207億円で、公共事業等が139億円を占め、依然として従来型のもので、県民の切実な福祉、医療、教育などの県民生活優先の予算配置となっていません。
今回の補正予算は、公共事業費の道路関係国直轄事業負担金22億8,900万円が計上されていますが、この中には、さがみ縦貫道路などの自動車専用道路費分5億4,300万円が含まれています。この道路を含む新みちみらい計画は、県内に23本の高速道路・自動車専用道路をつくろうとするもので、現在進めている9路線だけで整備費は総額3兆6,184億円となっており、県も多額の負担をしています。また、さがみ縦貫道路の建設は、城山などで中止を求める声もあり、住民合意がなされていません。県財政がきわめて厳しい中、このような多額の県負担となる自動車専用道路の整備計画は見直しをすべきです。
更に、県央・湘南都市圏整備構想推進費は、ツインシティ整備計画を推進するものですが、この計画の軸になる新幹線新駅の設置は、「いつになるかわからない」と昨年9月定例会の本会議で前の知事が答弁した通り、全く見通しが立っていないものです。また、この計画は、橋の建設に300億円、駅舎に250億円、地域の開発は1,000億円を超えるとされていますが、この財政難の中、計画を進めることに県民が納得するはずもありません。
これからのまちづくりは、開発によって新たな都市をつくることではなく、低成長と人口減少を考慮して、現在ある街を地域住民の意見を尊重して整備・改善することに重点を置くべきです。こうした観点からも、ツインシティ整備計画は凍結・見直しをすべきであり関連の補正予算には反対です。
また、教育費のうち社会教育費には、国が整備する国道1号線のバイパス(小田原箱根道路)のうち、生命の星・地球博物館に隣接する区間の周辺整備費が含まれています。この周辺整備費は、国との協定に基づいて総額13億1,400万円を県負担するとしているもので、今回の補正予算では道路のボックスカルバート内部の照明工事等の分1億1,349万円を支出するものです。
この道路工事は、かつて県知事・小田原市長・箱根町長が交通渋滞解消のためとして要望したルートと違ったため、住民に立ち退きを迫ることとなり、地域住民から強い反対運動がありました。1998年の国体に間に合わせるということで着工されましたが、用地買収も難行し完成しませんでした。地域住民は第1次、第2次合わせて、25世帯が移転を余儀なくされ、移転住民が町に残れるようと、町の事業で分譲住宅を14億円もかけて用意しましたが、分譲地に移ったのはわずか5世帯で、町にも大きな負担を強いるものでした。
そして、周辺整備費は、県が道路工法について国に要望した為、道路法にもとづく原因者負担によって、県が工事費の全額を負担するとしていますが、道路計画と生命の星・地球博物館の建設計画は、ほぼ同時期に進行しているから、道路工事施工の責任がすべて県にあるとはいえなこと、しかも、博物館の敷地を小田原市とともに道路用地として提供するという協力を県が行ったという点をふまえても、県が一方的に全額負担するということには到底納得できません。
また、警察施設費は県立野庭高校跡地に警察の証拠品の保管・管理を行う施設の建設に向けた地質調査を行うというものです。横浜市港南区の野庭地域近隣の方が、新聞に寄せた投書には、「学校開放によって地域で様々なスポーツなどの活動が行われていたグランドである。そんなところに証拠品とは。高校生や地域の人たちの汗と涙が染み込んだグランドである。そのグランドに、今、雑草が生えている。それだけでも悲しいのに。お願いします。どうかそんな使い方だけは、しないで下さい。地域に解放し、皆が使える場所にしてください。」との願いがつづられています。さらに、地域住民からは、グランドを地域に開放し、青少年の健全育成、子どもたちのスポーツ競技力向上、住民の健康作り等「皆が集える場所にしてください」との願いがこもった要望署名も10月8日までに3,814筆、知事あてに届けられています。
このような子どもたちの成長の足跡が残る高校跡地に、住民合意のない計画を遮二無二進めていくことは、県民不在の計画で認めるわけにいきません。よってこの様な問題のある予算が含まれている一般会計補正予算には反対です。
国の責任を放棄した法改定は容認できない
次に、定県第66号議案は、国の主要食糧の価格の安定に関する法律の改定により、米の卸・小売業の登録制度そのものがなくなった為に、県の条例を改定するものです。今回の国の法律改定は、必要な米の需給調整と価格形成に対する国の管理責任を放棄したもので、米が国民の主食であることからも重大な問題のある法改定でした。国民の主食である米の生産は、日本の風土にあった国土の保全、自然環境の保全という点でも優れているもので、先進国の中で異常なほど低い食糧自給率を向上させるためにも、米の安定供給とあわせて、米の生産農家の生活を守るための仕組みを国としてつくることは当然です。この県条例の改定は、この様な国の責任を放棄したといえる法改定に伴うものであり容認できません。
授業料値上げは認められない
次は、定県第69号議案「神奈川県立外語短期大学条例の一部を改正する条例」についてです。この条例改定は、長引く不況で県民の暮らしがたいへんな中、授業料を現行より年間17,400円、科目等履修生1単位400円の値上げを行おうとするものです。知事は、地域主権といいながら、国が授業料を値上げするとそのまま連動させた上に、これまでの経過措置を廃止して、在校生に対しても改正後の額をそのままスライドするというもので、到底認めるわけにはいきません。
県立高校は廃校すべきでない
次に、定県第72号 神奈川県立高校の高等学校等の設置に関する条例の一部を改正する条例についてです。神奈川県の15歳から17歳までの子ども10万人あたりの高校の数は全国45位で全国最低水準です。今、高校教育に求められている行き届いた教育を実現するためには、県民の財産であり、地域の学校である今の県立高校は廃校にすべへきではありません。改革を行うのであれば、各学校の老朽化対策と施設の改修・改善をすすめ、30人以下学級にするなどの教育環境の整備こそ、進めていくべきときと考えます。地域の身近な県立高校をなくしていくという高校改革推進計画には反対であり、条例から学校名を削除し、事実上、県立高校を廃校にする条例案には反対です。
定県第84号議案は、県が行う建設事業に対して、市と町に負担金を課すものです。県は、国に対しては、国直轄事業の負担金を課さないよう要望しているわけですから、県の事業に対しては、率先して規範を示すためにも、市や町に負担金を課すべきではありません。
以上主な理由を述べ、定県第64号、第66号、第69号、第72号 第84号の各議案に対する所管常任委員会の審査結果に反対する討論を終わります。
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