日本共産党神奈川県議団
トップへ戻る
県議会での取り組み 県議団の動き 申し入れ/談話/声明 基地ノート ご意見・ご要望 お知らせ リンク

県議会での取り組み2003年2月議会>「神奈川県新エネルギー推進条例」議案へのみやした県議の質問と提案者の答弁
県議会での取り組み


2003年2月定例会

「神奈川県新エネルギー推進条例」議案への
みやした県議の質問と提案者の答弁

(2003年2月25日 本会議)

〔みやした県議〕
 日本共産党県議団を代表して、ただいま議題となっております「議員提出第8号議案 神奈川県新エネルギー推進条例案」について提案者に質疑をさせていただきます。
 法律関係では、すでに新エネルギーなどに関して、「新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法」をはじめ、最近では「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法」「地球温暖化対策の推進に関する法律の一部改正」が成立し、すでに施行されているところであります。
 提案されている条例案にも触れられている「化石燃料の消費に伴って排出される二酸化炭素が地球温暖化の要因である」とされていますが、この地球温暖化問題は、今や人類の生存にかかわる最も重要な課題となつています。そのために、その防止のための様々な国際会議が開かれ、国においては、温室効果ガスの削減目標を国際的に取り決めた「京都議定書」を批准し、法律の制定や改正が進められてきたところであります。
 京都議定書の批准に際して必要な国内対策というのは、何よりも風力や太陽光などの自然エネルギーが促進されるべきです。
 したがって、この観点を踏まえれば、国が今まで進めてきた原発に偏重したエネルギー政策を転換することによってこそ、小型水力、太陽熱、光、バイオマス、燃料電池の水素など、多様なエネルギー源の開発と利用の本格的な取り組みが可能となるものです。
 今後新たにエネルギー利用の導入を促進する場合は、地球のエネルギー循環の中で繰り返し利用することが出来る「自然エネルギー」であるべきだというのがわが党の基本的な考えであります。
 そういう立場でみると、政府提出の「新エネルギー法案」は、新エネルギーとして、廃棄物発電が前提となっており、廃棄物の大量廃棄、大量焼却を奨励するもので、このような燃焼に依存するエネルギー政策は、炭酸ガスの排出を奨励し、ごみの分別リサイクルやごみの焼却抑制の方向に逆行するものです。
 また、電力会社に利用量の義務化を定めるだけで、風力や太陽光など、自然エネルギー発電の買取義務を果たしていないなど「法案」に対してわが党国会議員団は、修正案を提出し原案に反対したところであります。
 このような基本的な問題意識と観点を踏まえて何点か伺いたいと思います。

条例案提案に至った研究・検討の経過は

 まず第一は、今回条例案として提出することになった経過についてです。具体的で実効性のある条例の制定が必要という認識に至る課程では、提案者の真剣な研究や検討に加え、有識者、専門家も含めて検討されてこられたと推察しますが、どういう方々でどのような研究を重ねてこられたのか。また、どんなご意見が出されていたのかを経過的にまず伺いたいと思います。

〔水戸県議〕
かながわ清風会の水戸将史でございます。
大変ボリュームのあるご質問をありがとうございました。
みやした議員の質問に順次、私からお答え申し上げます。
まず、第1点でございますが、この条例案をつくった経過、また、どういうことに視点を置いてこういうものを組み立ててきたのかというご質問でございました。
ご案内のとおり、昨年の2月議会以来、県議会に科学技術推進議員連盟というものを立ち上げまして、そして、科学技術の中でもとりわけ新エネルギーの分野にスポットを当てていこうという議論が6月議会からスタートいたしまして、実際に勉強会というものを繰り返してまいりました。
もちろん議員だけでは、その知識も経験も、ある意味では限度がありますので、有識者の方々、例えば大学の教授やジャーナリスト、それから通産省のOBの方々にも加わっていただきながら、さらには現場視察や、また講演会等を開催をしながら研さんを積んでまいりました。
そして、12月初めには議連として一応の条例案のたたき台ができあがりまして、それをもとに我々会派はその関連法や諸条例の整合性を持っていこうということも、さらに研さんを積みまして、法的なチェックも終えたうち、そしてこのように制度を高めた中で今回条例案を策定させていただいた経過がございます。
そして、新エネルギーと申しましても分野は多岐にわたっておりますので、本県みずから率先していくべき分野はどれか、予算と人的配置はもちろん限られておりますので、どの分野に目を向けていくかということが最大のポイントとなりました。そういう議論の中で、まず本県の地域特性を最大限加味していこうではないかということで、その開発、導入、そして普及実践に努めるべきであるという議論に達しまして、そして今回このような組み立てをさせていただいた経過がございます。

地球温暖化防止を目的に入れなかった理由は

〔みやした県議〕
 次に、1条の目的規定についてです。
 ここでは、この条例は、環境への負荷が少ない、または利用効率が高い新エネルギーの開発、導入及び普及について、県の施策の基本となる事項を定めることにより、その施策を総合的かつ計画的に推進し、もって環境の保全及び社会経済の持続的な発展に寄与することを目的とするとしています。
 どんな場合でも、条例を定めようとする場合は、その目的をどのように正確に表すかは大変重要なことであります。この場合、何よりも「地球温暖化防止」ということが基本でなければならないし、それは同時に「持続可能な社会の構築に資する」ということになるわけでありますから、その基本を明確にする必要があります。あえて地球温暖化の防止を目的規定に入れなかった理由を伺います。 

〔水戸県議〕
そして二つ目でございますが、この地球温暖化の防止というような形で、これを目的の中にも含めるべきではなかったか、明確にこれを記載すべきではなかったかというご質問でございます。
確かに地球温暖化の問題は、もちろんこれはグローバルな視点から進めていかなければなりませんし、また地域社会としても、 これは第一念頭に置きながら、これからも施策を展開していかなければならないことは私も承知しているところでございます。
そして、ご案内のとおり、この条例案でも前文にその気候変動に関する枠組条約、京都議定書のことを掲載させていただいて、そして目的の第1条では、それを包括的に環境への負荷が少ない、そして環境の保全ということをまずここに入れさせていただきながら、その地球環境の問題もここに含めていこうではないかという形で、目的としてここに明記をさせていただいている次第でございます。

県、市町村、県民、事業者の責任を明記すべきでは

〔みやした県議〕
 また、その推進については、県、市、町村、県民及び事業者の責務を明らかにして明文化する事が必要ではないかと考えます。とりわけ、自然エネルギー電気の導入を促進する上で障害の一つは、発電しても売れるかどうかわからないというリスクです。電力会社による買い取りを義務化したドイツで風力発電の発電電力量が10年間で百倍以上になるなど大きな成果を収めているように、電力会社が「自然エネルギーを買い取ることにより自然エネルギーなどの供給につとめなければならない」ことを文言の上でも明確にすることが必要であります。この点についても伺います。

〔水戸県議〕
そして三つ目でございますが、県、市町村及び県民、事業者の責務を明確にしたほうがいいのではないか、さまざまな条例をつくるときに、そういう責務を明確にした方がそれぞれの役割分担が明確になっていいのではないかというご指摘がありました。
この条例はそのタイトルをごらんにいただければおわかりのとおり、新エネルギー推進条例という文言を使わせていただいております。この推進というものは、県が軸となって率先して取り組むべきものであるという形で、これを議会としても後押しをしていこうではないかという形で、この条例案を策定させていただいたということがございます。したがいまして、本県が主体となって取り組むべきものを各条文上、明記しておりますので、これこそがまさに県の責務であり、またそういうことを踏まえて市町村や事業者、県民の方々との連携や、さらなる支援体制、協力をとっていこうということの、そういう構成になっております。

「新エネルギー」ではなく「自然エネルギー」と限定すべきでは

〔みやした県議〕
 次は、2条の定義についてです。
 温暖化防止では、二酸化炭素の削減が課題であります。そのためには、新エネルギーではなく「自然エネルギー」と限定すべきではないかと考えますが、見解を伺います。
 また「新エネルギー」として、エネルギーの利用形態を12項目あげています。まず7号についてですが、発電所、製鉄所、その他の工場から排出される熱を利用して得られる電気となっていますが、ここでは発電所の中に原子力発電所も入っているのかどうかを伺います。
 また、8号では「一度使用され、もしくは使用されずに収集され、もしくは廃棄された物品もしくは副産物のうち有用なものであつて燃焼の用に供することが出来るものもしくはその可能性のあるもの又は再生資源を原材料とする燃料を燃焼させて得られる熱または電気」となっています。
 これは廃棄物発電の導入を可能とするものではないかと考えますが、見解を伺います。

〔水戸県議〕
そして4番目でございますが、自然エネルギーに特化すべきではないかと、例えば太陽光とか風力という、そういうご指摘だと思うんですけれども、そもそもエネルギーという中には、例えば北海道は新エネルギーとうたっていますし、宮城県の条例では自然エネルギー等と言っております。大分県ではエコエネルギー、また兵庫県ではグリーンエネルギーという、いろいろとエネルギーについても──つい最近までは神奈川県もクリーンエネルギーという言い方をしておりましたけれども、さまざまな名称のつけ方がありますが、その定義は若干の相違はありますけれども、大体定義としては項目は似たり寄ったりであります。
その中で、とりわけ太陽光や自然界のエネルギーを使っていこうということはまさしくそのとおりでありますし、そういうことを促進することが二酸化炭素の削減ということになるわけでありますけれども、しかし、それプラス、エネルギーの利用の効率化を一層促進するためには、それ以外の部分にも目を向けながら、その結果として化石燃料等の消費の削減になる、それが二酸化炭素の発生を抑えるということに寄与するものと考えておりますので、今回は自然界のエネルギー、プラス、その他のエネルギーもここに含めて11項目を掲載させていただいた次第でございます。
それから五つ目でありますが、廃棄物発電についてのご示唆がございました。廃棄物発電ということは、ある意味では環境に負荷を与えるのではないか、ごみを燃やせばそれだけCO2も発生しますし、環境に負荷を与えるのではないかという、そういうご示唆もございました。確かにそれはそういうことは我々自身も是認をしているというか、もちろんそういうことでありますけれども、今回のものは廃棄物発電そのものを否定するとか肯定するという意味ではなく、廃棄物発電をすることによって発生するエネルギーをどういう形でむだにすることなく有効的かつ効率的に利用するかということに今回ポイントを置いていますので、そういうものを新エネルギーとして使っていこうという組み立てでございます。

水力発電を1,000`h以下と限定した根拠と条例で定める以外のエネルギーとは

〔みやした県議〕
 次に同じ定義2条の4号についてです。
水力発電設備で発生させる電気設備を1,000キロワツト以下の規模のものに限るとしていますが、現在、例えば企業庁の電気事業では、水道用導水路に設置した柿生発電所が最大出力が800キロワットになっているとか、他にも1,000キロワット台の発電所がありますが、それぞれそれなりの経過もありますが、条例で1,000キロワット以下にした根拠を伺いします。
 また12号についてですが、「前号各号に掲げるもののほか、環境への負荷が少ない、もしくは利用効率が高いエネルギーまたはエネルギーの利用形態で規則に定めるもの」としていますが、提案者の考えでは、条例で定めている以外のエネルギーで規則で定めるものに該当するエネルギーはどんなものを想定しているのかを伺います。

〔水戸県議〕
それから6点目でありますが、水力発電設備の中で、出力を1,000キロワット以下の規模のものに限るとしたその根拠は何かということでございますけれども、これは今、県も策定中であります新エネルギービジョンでも小水力発電という形でうたっているわけでありますが、県内には1級、2級河川合わせて26水系、118の河川が流下しており、既存ダムの併設やダム設置を要しない比較的小さな流れを利用する、こういうことを小水力と言っているわけでありまして、こういうものを新しいエネルギーに使っていこうという形で、それが1,000キロワット以下であるというような、新エネルギービジョンではそういう定義をしておりますので、そのままこれは整合性を持たせたものであります。
それから第7番目でありますけれども、第2条の12号の前各号に掲げるもののほか、環境への負荷が少ない、若しくは利用効率が高いエネルギー又はエネルギーの利用形態で規則で定めるものは何かと、どういうものを想定しているかということでありますが、現時点ではこれについての想定する項目はまだございません。しかし、今後技術進歩によって、また新エネルギーと位置づけることが望ましいものについては、これからつけ加えていこうではないかということであります。
例えば、今回の新エネルギーの中でも、他県では潮力とか、雪とかエネルギーに使っていこうというところもありますし、この中では、これはできるかどうかは別として、南極の氷を運んでこれをエネルギーに使っていこうではないか、 それに対して、コストとか効率の面でよければ、こういうものも新エネルギーになり得るのかなということが想定できますが、今の段階では技術的には難しいなという感じもしますが、そういうことを踏まえて、12号ではそういうことを今後視野に入れながら、新しいものとしてつけ加えていこうという含みを持たせているわけであります。
それから、ちょっと順序が逆になりましたが、原子力発電についてはどうなんだというご指摘がございましたが、我々のここに書いてある発電所の中には原子力発電ということは想定してはおりません。

太陽熱や風力を利用した電気は、なぜ重点計画から除外か

〔みやした県議〕
 次に第5条の重点計画についてです。
 この条項では、重点計画を策定し、公表しなければならないとしていますが、2条の2号、太陽熱を利用して得られる熱、3号、風力を利用して得られる電気については、なぜ重点計画に入れてないのか。さらに2条の8号、つまり「一度使用され、若しくは使用されずに収集され、若しくは廃棄された物品若しくは副産物のうち有用なものであって、燃焼の用に供することができるもの、若しくはその可能性のあるもの又は再生資源を原料とする燃料を燃焼させて得られる熱又は電気」という項が重点計画から除かれましたが、この理由を伺います。
 特にこの8号については、重点計画から除いていますので、2条の定義からも除くことが望ましいと考えますが、あわせて伺います。
以上、第一回目の質問といたします。

〔水戸県議〕
それから、8番目の最後でございますけれども、重点エネルギーというものの中に、例えば太陽熱とか風力を含めなかった理由は何か、さらには廃棄物発電、先ほどもちょっと繰り返しになりますけれども、こういうものを重点エネルギーに入れなかったのはなぜかというようなご指摘がございました。
そもそも議連でも、この重点エネルギーをどうしようかという議論がさまざまな角度からされました。その中において、要するに三つがいいのか、六つがいいのかとという話もいろいろあったんですけれども、そういう中においては、県が今、新エネルギービジョンというものを策定中でありますので
そういう中において、県がこういう形で率先して取り組むということを県みずからが今言っているわけでありますから、それを後押しをしていこうということを踏まえて、県との整合性をとっていこうではないかということで、この新エネルギービジョンが位置づける重点的に取り組むべきエネルギーと、この我々自身が規定した重点エネルギーというものの中での整合性を持たせたものであります。
また、地域特性を考えていくならば、例えばデンマークという国はご存じですか。あそこは今後30年間で45%を風力発電で全電力量を賄っていこうというぐらいの国家施策があります。もちろん地域特性を考えていけば、例えば北海道や東北地域、そういう一定の風が強い地域においては、そういう風力発電も可能ではないかと思います。神奈川県の地域特性を見た場合に、非常にそういう地形的な制約もありますので、そういう部分を加味して、今回、そういうエネルギーは重点的なものとしては取り上げなかったということであります。
廃棄物につきましては、先ほど申しましたとおり、廃棄物発電そのものを否定するとということではなく、当然、今後の中では資源を減量化していこうとか、リサイクル化していこうという話がありますので、そういうことを踏まえながら、今後、こういうことに関しても、さらに循環型社会システムを求めながらも、現在ある廃棄物発電についての利用効率を高めていこうと、そういうことを今我々は考えているわけであります。
以上であります。


再質問

地球温暖化防止や経済活動の根幹にかかわる問題は、十分な調査と研究、県民参加の議論を

〔みやした県議〕
時間がございませんので、自席で発言させていただきたいと思います。
ただいま各項目についてのご答弁をいただきました。個々一つ一つについての再質問はなかなか時間がないものですから、一つだけ、答弁漏れのエネルギーの買い取りの部分をお答えいただきたいんです。
 今テーマとなっているというのは、何といっても地球温暖化防止という人類の生存に関わる問題から、あるいは経済活動の根幹にかかわる大事な内容を含んでいるわけであります。ですから何といっても十分な調査、研究と県民参加の議論がやはり必要なのです。同時に、今真剣に新しいエネルギーの導入を促進しようというふうに考えれば、私が質問した、あるいは指摘した問題というのは大変大事な問題を含んでいるわけです。そうした肝心かなめの問題が抜けたままで提案されるのは、いささか拙速すぎるのではないかと考えざるを得ません。
 神奈川県では、「神奈川県クリーンエネルギー活用基本方針」にもとずいて、県民意識、導入実績や導入の可能性の調査を行って、この3月には新たに、仮称「かながわ新エネルギービジョン」いうことで策定を行うと伺がっていますが、全国で条例をつくったところは、まだ北海道とか宮城県とか、あと二、三あるようですが、自治体の条例化はまさにこれからというのが実態のようであります。今この時期に急いで提案しなければならなかった理由があろうかと思いますので、この点を伺って質問を終わります。明快なご回答をよろしくお願いします。

〔水戸県議〕
再質問について、お答え申し上げます。
1点、買い取りの話ということでございました。ご案内のとおり、電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法の話だと思いますが、これは事業者の責務として、一定のものを新エネルギーとして供給しなければいけない、また買い取ることを体系化しなければいけないということでございますけれども、事業者の責務として、そういうことは明記をされているという部分がございます。今回、先ほど申しましたとおり、我々自身は責務という規定は設けませんでしたので、そこに関しましては、県が率先して取り組むべき、そういうものについての推進役を県が果たすべきであるということにウェートを置いて条例案を組み立てた経緯がありますので、その点はご理解いただきたいと思います。
それから、なぜこの時期にというお話がございました。我々自身、1期というか、4年間というのは我々自身の議員生活の一つの節目であります。その中において我々自身が身をもってさまざまな政策を立案するという、本来、議会が果たすべき機能であり、使命でありますので、そのまま我々自身の集大成として今回出させていただいたことについて、ぜひ皆さん方のご理解、そしてご協力のほどよろしくお願い申し上げます。