| 2003年2月定例会
2001年度一般会計・特別会計決算に対する
ふじたちえこ県議の反対討論
(2003年2月25日 本会議)
無駄遣いにメス入れず、福祉・医療に冷たい財政運営
私は、日本共産党県議団を代表して、平成13年度一般会計歳入歳出決算及び同年度特別会計歳入歳出決算の認定に反対する討論を行います。
2001年度一般会計の歳入総額は1兆7,161億7,087万円、歳入歳出差し引き額で60億9,581万円、実質収支額で32億6,424万円の黒字となっています。不況のもと、福祉・教育など県民生活を応援し、将来不安を解消することが県政に求められていましたが、実際の内訳は、土木費は1,983億1,482万円で対前年比97.4%と、一般会計全体が前年度比率96.9%の中、それをうわまわる財政を振り向け、「高速道路」をはじめとする大型公共事業を推進するものでした。また、責任も説明もあいまいなままドームシアターを12億円で買い取る一方で、6,000万円あれば継続運行が出来たドクターヘリの予算化を拒否し重度障害者医療費助成などの福祉の市町村補助金・団体補助金を軒並み削減するなど、2001年度決算は、無駄遣いにはメスを入れないまま、福祉・医療に冷たい財政運営をすすめてきたもので、到底容認できるものではありません。
調査も 検討も不十分、安易なドームシアターの買い取り
特に、2001年度予算で最大の問題だったのがドームシアターの買い取りでした。県議会で初めて予算の変更が提案され、ドームシアターを買い取ることになり、多くの県民から「なぜ県が買わなければならないのか」との疑問と大きな怒りの声があがりました。
このドームシアターの買い取りについては、この決算特別委員会の中で重大な問題点が明らかになりました。
一つは、この事業をスタートさせるかどうかの最初の判断の問題です。最初に持ち込まれたマネージメント会社の企画書には虚偽の記載があったこと、そして、騒音の激しい道路沿いで遮音性のないテントでのプロの役者による伝統芸術をやる企画内容であったにもかかわらず、十分な調査も検討も行わなかったことです。このような企画が県に持ち込まれる以前に、横浜市にもちこまれていますが、横浜市では断っている事実と経過をみれば、調査も検討も不十分のまま、安易にこの事業に関わることになった知事の責任は重大です。
なぜ3倍もの高値で買い取ったのか
二つめの問題は、ドームシアターの建設に関わる問題です。
ドームシアター建設の発注は、企画書を持ち込んだ人物が代表取締役を務める会社によって、契約額も支払方法も明示しない「先行着工」という発注方法で行われています。そして、この上限なしの発注方法のために、当初4億5,000万のはずの建設費が、2ヶ月間に3倍にも膨らむ結果となり、その価格は不動産鑑定額とほぼ同額で、単価は業界の実勢価格より大幅に高い、メーカー希望価格に近い額となっています。このようなずさんな発注を指示し、建設を進めたのが21世紀座の立ち上げに関わった中心メンバーです。
さらに、問題となる三つ目の点は、当初の3倍もの高額となったドームシアターを県が適正な価格として購入する根拠となった不動産鑑定価格の問題です。
ドームシアターの購入にあたって、県は不動産鑑定で通常用いない収益性・市場性を排除した神社仏閣等を鑑定する「特定価格」という算定方式でドームシアターを鑑定するよう指示しています。しかし、不動産鑑定評価基準によれば、一般的な不動産鑑定価格はその建物の立地条件等も含めて収益性など市場性を考慮し、総合的に判断することになっています。なぜなら、ドームシアターは神社仏閣と違って、その建物そのものに価値があるのではなく、多目的ホールとして使って初めて、価値あるものだからです。
しかし、もしこの収益性・市場性を考慮した通常の鑑定方法でドームシアターの価格を鑑定すれば、騒音等でその利用価値は低く、多目的ホールや文化・芸術施設としては、鑑定価格がどうしても低く出る結果となることは明らかです。そうなると、大きく膨らんだドームシアターの建設費を負担することになる21世紀座は莫大な負債を負うことになります。
我が党の「21世紀座の責任こそ問うべき」との本会議質問に対し、知事は、「21世紀座については」「責任云々と言うことは考えられないこと」だと答弁しています。つまり、21世紀座に責任を負わせないために高い価格が出る方法、21世紀座の購入額と近くなる鑑定方法を県はわざわざ指定したという新たな真相が明らかになってまいりました。財政危機といいながら、県民向け予算を削減する一方で、充分な調査も行わずにこの企画にかかわり、21世紀座をかばうために買う必要のないドームシアターを県民の税金で高く買い取った予算執行は断じて認めることはできません。
企業責任追及し、費用弁償の請求すべき
次に、荏原製作所のダイオキシン等流失問題に対する県の対応の問題です。
藤谷委員が、藤沢市が荏原製作所に検査費用5,890余万円を支払わせたことを指摘して、県も荏原製作所に検査等の費用を請求するよう求めましたが、県は「環境保全のための通常の行政執行上の経費」などと答弁し、企業責任を追及し、費用を請求する姿勢を示しませんでした。
その後、川崎市もダイオキシン流出問題で企業に汚泥除去費用710万円を請求しています。県はダイオキシン類対策特別措置法にもとづく通常の監視・調査とは別に、2000年、2001年で5,000万円あまりの予算を捻出し、工場内等のダイオキシン類調査を行っています。荏原製作所も「重大な事件を起こした責任を認め、請求があれば弁償に応じる」としているのですから、あらゆる角度から費用請求を検討すべきです。
県有施設を使って利益をあげる企業を放置
また、県立観音崎公園内の県が設置したレストランの営業に関する問題では、県から公園管理を認められた公園協会と、レストラン経営をすることで委託契約を結んだ京浜急行電鉄が、直接レストラン運営をやらずにその業務を丸投げ状態で下請け業者に再委託をしている実態となっています。その上で、京浜急行電鉄は売上金の5%のみを公園協会に支払う一方で、直接レストラン運営を行っている下請けの業者には再委託をしてはならないと言う契約書を結ばせ、売り上げ目標を5,000万円と設定させた上で、その目標額の15%を委託経費として請求し、さらにその委託経費に消費税5%を掛けた額も出すように要求しています。そして、京浜急行電鉄が行うことになっている厨房設備の修繕は、請け負った業者が要求してもほとんど行わず、その業者に損害が出る実態となっています。
しかし、県はこのような実態の改善を求めたことに対し、民間と民間の関係だから京浜急行がそのことで利益を上げても構わないという姿勢を示しています。県民の公的財産である県有施設を使って、特定の大企業が自ら行うべき業務を中小企業に丸投げしてやらせ、中間マージンをとって利益を上げていることを放置している県当局の姿勢は、大企業に甘く、荏原問題同様、県民の納得を得ることはできません。
住民合意をないがしろに、接待と飲食・贈答で進める
芦名産廃処分場計画は白紙撤回を
さらに、芦名産業廃棄物最終処分場建設については、2001年10月に県が大方の理解を得たとして建設申請を提出した直後に開催された芦名町内会臨時総会で、町民は圧倒的多数で産廃場建設前提の対策協議会設置と産廃場建設そのものにも反対の決議をあげていました。対策協議会の設置を否決し、建設反対決議を挙げた11月上旬の芦名町民の臨時総会以後、これを覆す意志確認はされてはいません。
この間、芦名産業廃棄物最終処分場建設をめぐる県と町内会役員との関係について、顕著に示す出来事が、接待ではないかと地域住民がおこなった監査請求で、昨年6月1日付の神奈川新聞の1面トップで報道された町内会役員に対する飲食の提供でした。このような飲食の提供や贈答は、県土整備部の道路建設にかかわっても、環境農政部のその他の事業においても全くやっておらず、芦名産業廃棄物諸処分場建設の事業だけが町内会の役員等にターゲットを絞って、このような異常ともいえる飲食の提供と贈答が繰り返し行なわれていたことが明らかになりました。
この異常な飲食の提供について、環境農政部は124回の地元説明会の中12回だけだとしていましす。しかし、その内訳はアセス手続きが始まる前の97年で1人平均1,473円で3回、そして、98年、99年、2000年が各1回、そして、残りの6回は2001年度に集中して行われています。この年は県が横須賀市に建設許可を求めた年で、産業廃棄物最終処分場建設にあたって、市も県に住民の合意を求めていましたが、この年に提供された飲食と贈答は、監査請求をされた1人4,500円で町内会役員を相手にお酒も入った中華街での飲食12万7,575円をはじめ、8月11日に芦名町内会関係役員施設見学会経費として2万7,300円。8月27日、芦名町内会役員施設見学会昼食とお茶、4万3,290円。11月15日、葉山の料理屋「新たなか」での説明会経費として3万9,870円。11月30日、芦名処分場の関係団体との打ち合わせで野毛の寿司屋で1人4,400円7人、3万2,340円。それ以外で12月15日、日本酒セット四つを含めて5,000円の贈答品を九つ、4万1,895円と額も増やして執拗におこなわれていました。
このような経過の中で、町内会役員と産廃場建設に関する協定を結び、その後、事後報告として町民にその協定書が回覧され、工事の入札が行われるという経過をたどることになりました。このような他の事業ではやっていない異常な飲食の提供と贈答について、監査委員に贈答については中止するよう指摘されたために、県はその方向で検討するとしました。しかし、飲食の提供については、必要性を検討してやっていくんだとしています。このような県の事業の進め方は、県民からは接待との疑念と批判は浴びることは当然で、財政運営、財政支出のあり方としても、到底納得が得られるものではなく、認められません。
住民合意をないがしろにして、町内会役員に飲食や贈答品の提供をしながら進めてきた芦名産業廃棄物最終処分場建設工事は直ちに中止し、計画を白紙撤回すべきです。
以上主な理由を述べて平成13年度一般会計歳入歳出決算及び同年度特別会計歳入歳出決算の認定についての反対討論を終わります。 |