| 2002年6月定例会(7月9日 本会議)
ふじたちえこ県議の議案・請願に対する反対討論
私は日本共産党県議団を代表して、定県第58号議案、神奈川県生活環境の保全等に関する条例の一部を改正する条例 他4議案並びに請願88号他2つの請願に対する所管常任委員会の審査結果に反対する討論を行います。
青い空ときれいな空気を一日も早く取り戻すためにも、ディーゼル車規制条例は採択すべき
まず、定県第58号議案、深刻な大気汚染を改善するディーゼル車の排ガス規制をすすめる生活環境等の保全に関する条例の一部を改正する条例についてです。
2000年度の県の大気汚染常時監視測定結果によると、浮遊粒子状物質の各測定個所の適合率は、63.2%と前年度より21.3ポイントも大幅に下り、全測定局の年平均値が、1平方メートルあたり、99年の0.036rから2000年0.039rへと上昇するなど、大気汚染は深刻な実態になっています。また、「学校保健実態調査」では、神奈川の子どもたちの喘息罹患率は、小学生、中学生、高校生のすべてで、ここ10年上昇し続け、小学生では92年4.2%から2001年7.3%と、全国平均の3倍以上となっています。これらの健康被害の原因となっているディーゼル車等の排ガスに含まれる浮遊粒子状物質は、川崎公害訴訟等の判決でも、健康被害への因果関係と国や自治体などの責任が認定されています。だからこそ神奈川県において自動車公害の防止措置は待ったなしの課題となっています。今回の条例改正は、首都圏1都3県の広域的課題として統一的に進めるべきであり、すでに条例制定がすんでいる東京、千葉、埼玉に遅れることなく条例化することを多くの県民が期待しています。
そして、この条例を実効あるものにするためには、我が党の宮下議員が一般質問で強調したように、国及びメーカーの責任で、低公害車への転換や、低廉で効率的なDPF装置の開発を促進すること。県して、ディーゼル車を保有している中小企業や民間福祉施設等に、買い換えやDPF装置の装着ができるような負担軽減策を抜本的に改善することが重要です。そして、これらを9月補正予算で組むなど、早急に実施が図られるようにすることが求められています。公害患者やぜんそくの子どもたちのねがいにこたえ、青い空ときれいな空気を一日も早くとりもどすためにも、この条例は、継続審査ではなく、今定例会で採択すべきです。
次に、定県第52号議案は、土地収用法第34条の7第2項に基づき、事業認定段階で、第3者の意見を聞くものとして、神奈川県土地収用事業認定審議会を設置するための条例です。この議案は、土地収用法の一部改正に基づき提案されたものですが、今回の「改正」は土地収用の裁決手段を一層簡略化して、土地収用にかかわる反対運動等を押さえ込み、憲法第29条の第1項に定めた「財産権はこれを侵してはならない」という国民の基本的人権を侵害するおそれのあるものです。
だからこそ、この法律の一部改正に基づき県に設置される審議会は、何よりも慎重な審議と公平性と中立性を保つことが求められています。ところが、条例案の第5条の4では「委員は、自己に直接の利害関係のある事案については、その議事に加わることができない。ただし、審議会の同意があったときは、会議に参加し、発言することができる」となっており、同意があれば、利害関係のある委員も参加できることになっています。この土地収用法の一部改正が行われた昨年の通常国会で、法律の改正にあたって衆議院、参議院の国土交通委員会でほぼ同じ内容の付帯決議がなされました。衆議院の附帯決議の中では「事業認定の審議にあたっては、当該事業に利害関係を有する委員は当該審議に関わらないようにするなど厳格な運用を行い、事業認定の中立性、公正性等の確保に努めること」としています。これは、土地収用法に規定されている国の社会資本整備審議会に関することではありますが、この趣旨は、当然、県の審議会にも生かされるべきものです。従って、「審議会の同意があったときは、会議に出席し、発言することができる」の条文は削除をすべきです。
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キャンプ場の廃止は青少年育成の政策を後退させるもの
次は、定県第57号議案、神奈川県立キャンプ場に関する条例を一部改正する条例です。青少年育成に大きな役割を果たしている県立青少年キャンプ場は、95年度には、6施設あり、年間26058名が利用していました。しかし、県は、中核施設整備を理由に、海と山にそれぞれ1カ所づづ県立キャンプ場を整備する代わりに、97年度末で、県立施設としてその他のキャンプ場を廃止する方向を打ち出し、2カ所の県立キャンプ場を2001年までに整備すると新総合計画21に位置づけました。ところが、山側のキャンプ場として整備するはずの不動尻キャンプ場が、98年1月の大雪で管理棟の屋根が壊れ建て替えが必要になると、県は、費用が莫大になることを理由に、これまでの方針をなげうって、4月からキャンプ場を休止してそのまま放置してきました。そして、今度は、ヒルが発生したからと県立不動尻キャンプ場を廃止しようとしています。
かながわ新総合計画21の「人間性をはくぐむ社会参加の推進」には、『青少年がたくましく生き抜く力と他者を思いやる「共感する心」を自らはぐくむことが出来るように地域社会や自然の中での成長段階に応じた多様な体験活動を進めます』と明記されています。この重要な体験活動の場として不動尻キャンプ場が位置づけられていたことは明らかです。不動尻キャンプ場がヒルが発生で使えないというのなら、他の場所への代替えキャンプ場の検討をすべきで、山側の県立キャンプ場をただ廃止することは、県の青少年育成の政策を後退させるものであり、認めることは出来ません。
利用者の増加している特別母子寡婦福祉資金の修学資金の削除は認められない
次は、定県第59号議案は神奈川県特別母子福祉資金条例から修学資金を削除するための一部改正です。特別母子福祉資金は、国の母子福祉資金に県独自に上乗せ措置を図って、その額を引き上げてきたものです。
しかし、国が母子福祉資金を引き上げた分、県は、97年度から、特別母子福祉資金の修学資金を引き下げてゼロにしてしまいました。そのため、特別母子福祉資金の修学資金は、今年度、専修学校のみとなり、今回、国が専修学校の修学資金を引き上げ為、県が修学資金を削りました。条例の一部改正は、修学資金の該当がなくなったことを理由に、特別母子福祉資金の修学資金の条文そのものを削ろうというものです。母子家庭の収入は、一般家庭と比べて半分から、3分の1という状況になっており、毎年400人以上の母子家庭が新規にこの母子寡婦福祉資金の修学資金を利用しています。家計が苦しくても子どもの教育だけは、充分にという、母子家庭の親の願いに応えるためにも、県の特別母子寡福祉資金の修学資金については、条例として残すべきです。そして、国の母子福祉資金の金額の引き上げに応じて、県の資金を上乗せし、上限額を引き上げて援助の拡大を図ることこそ求められているのであり、条例から修学資金を削除することは認められません。
次は、 県報第1号は専決処分の承認を求める議案です。
都市再開発法の一部改正によって、これまで自治体と都市公団しかできなかった市街地再開発事業に一定の要件に該当する民間・「再開発会社」を施工者に追加できることとなりました。
そして、 「再開発会社」は、従来、自治体、公団が公共施設の整備等を行ってきた第2種市街地再開発事業にも参加し、収用権に基づく強制的な土地収用も可能となり、住民追い出しができるようなったこと、また、地方税法の改正によって、「再開発会社」は、自治体や公団と同じ様に不動産取得税の納税義務を猶予し、免除されることとなりました。これらは住民の意思を無視し、民間事業者による都市再開発を促進させることを狙ったもので、住民本位の街づくりを踏みにじり、都市部における大規模開発につながるものです。県報第1号はこれらの法改正に基づく条例改正で認めることはできません。
患者への負担増ではなく、安心して医療を受けられるよう求める今請願は採択すべき
最後に、請願についてです。まず、請願第88号は将来とも安定した医療制度の改革を求める請願です。
いま、県民の健康に重大な影響をあたえ県医師会も皆保険制度を崩壊させるものと決議をあげた健康保険改悪法案は、衆議院を与党多数で通過し、参議院に審議の場が移されています。
今求められているのは、逮捕された鈴木宗男議員をはじめとした公共事業を通じての税金の環流をやめさせ、疑惑の徹底糾明と機密費も含めた国の税金の使い方を改めて、国民のための政治に正すことであり、国民の健康に関わる予算を削り国民に負担を求めることではありません。まさに、健康保険改悪法案が、今、成立させられようとしている時期だからこそ、患者への負担増は行わず安心・信頼・質の高い医療サービス制度を確立すべきことを求めるこの請願は、継続審査ではなく今議会で採択すべきです。
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県民への多大な影響が予想される第2の基地県神奈川だからこそ、有事法制に反対する意見書の提出を求める請願は採択すべき
次は請願94号95号で、有事法制に反対する意見書の採択及び政府への意見書の提出を求める請願です。
政府が国会に上程し審議がなされている「有事三法案」は、日本に対する武力攻撃にとどまらず、その予測やおそれのある場合に、自衛隊や米軍の武力行使をはじめとする行動に物品や役務、施設の提供について国民に協力を求めています。更に、物資の保管命令に従わない場合には罰則まで設けるなど、戦時国家体制と国民総動員体制をつくるもので、憲法で保障された国民の基本的人権が著しく制限されることになります。
また、武力攻撃事態対処法案では、「地方公共団体は、武力攻撃事態の対処に関し、必要な措置を実施する責務を有する」とされ、「内閣総理大臣は、対処措置が実施されないときは、地方公共団体の長等に対して実施すべきことを指示することができる」と、地方公共団体の協力を強く求めています。さらに、指示に従わなかった場合や緊急時には、内閣総理大臣による直接執行も可能となっており、憲法の規定する地方自治の原則をないがしろにするもので許されるものではありません。神奈川県は、米軍や自衛隊の基地と関連施設、軍事産業などが集中する基地県であり、この法案による県民への影響は計り知れないものがあります。 現在行われている米軍による対テロ軍事行動でも、米軍基地の異常なまでの警備によって県民生活に大きな支障が出ているように、有事法の制定による県民生活への支障は必至となっています。
今求められているのは、請願に書かれているように、戦争の準備をするのではなく、世界に誇る憲法9条を生かした外交を進めるべことであり、神奈川県が第2の基地県だからこそ県民への影響が大きい、有事3法案の制定を行わないように、県議会としての意見書採択や、政府に「意見書の提出」を求めることであるからこそ、この請願は採択すべきです。
以上、主な理由を述べ、定県第52号、57号、58号、59号、県報第1号の各議案、及び請願第88号、94号、95号に対する所管常任委員会の審査結果に反対する討論を終わります。
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