| 2002年5月臨時会(5月22日 本会議)
みわ智恵美県議の意見書に対する賛成討論
私は日本共産党県議団を代表して、わが党6名の議員提案による中国・瀋陽日本総領事館事件の真相究明と日本外交の在り方に関する意見書(案)に対する賛成討論を行います。
事件の真相を徹底的に究明すべき
中国瀋陽の日本領事館に北朝鮮からの脱出者5人が亡命を求めて駆け込み、中国の武装警察官がその5人を拘束し連行するという事件がおきました。この事態そのものが各テレビ局で報道され世界中にその衝撃的な模様が配信されました。そこで否が応でも日本政府と中国政府の対応を世界中が注視しました。
中国側は副領事の同意を得て入館し、2人を館内から連行し、駆け込んだ5人の連行も同意のもとであり、武装警察官には感謝が表明されたと発表したのです。日本政府は、5人が連行されたあとに「中国側の対応は在外公館の治外法権を保障した外交関係に関するウィーン条約違反」として強い遺憾の意を表明し同意の元での館内への立ち入りや連行ではなかったとして中国に抗議し、5人の身柄の引渡しを求めました。これでは日本と中国の主張は真っ向から対立しています。ウィーン条約に照らしての同意に基づく領事館への立ち入り・連行であったのか明らかにしなければなりません。
国会での質疑や、調査から明らかになってきたことは、第一には中国の武装警察官による5人の連行に対して日本側では明確な言葉での拒否はしていないこと、そればかりか事件の最中、副領事が武装警察の大隊長と握手までしていたことです。
第2には脱出者が詰め所に収容されたあとの外務省本省の指示は「追って連絡する」「現状維持せよ」というもので、まともな対応も指示も出されず、最後は中国の警官の連行を「黙認」し、外務省として5人が連行されてしまうまで「抗議せよ」という指示は一切していないことです。
第3に亡命を求める英文の手紙をもらいながら理解ができなかったとつき返したことです。しかも外務省の調査報告書にはこのことがいっさい書かれていなかったという事まで明らかになりましたが、これでは同意を得て連行したといわれても仕方がないといわざるをえません。だからこそ中国の武装警察官によるウィーン条約違反の同意を得ない領事館内への立ち入り、亡命者の連行だったのかどうか真相の究明が求められているのです。
このことが明らかにならない限り中国に対してどのような抗議をしようとも問題の解決にはなりません。ことは日本の主権と外交に関わる問題です。また、外務省・領事館でこのような対応がおきるのは、難民に対する政府の外交姿勢に問題があるからではないでしょうか。
このページのトップに戻る
今こそ人道的立場にたった外交を確立すべき
小泉首相が国会で北朝鮮からの脱出者が頻発していることをふまえ、「在外公館に侵入した場合を念頭に対処を準備し、各公館に伝達していた」と答弁していますが、亡命者を侵入者と見てこれを阻止することが政府の基本方針だったことを示しています。阿南中国大使が北朝鮮から脱出してきた住民が駆け込んできた場合、「追い出すべきだ」と指示したのがこの事件のおきる4時間前だったということ、手渡された亡命者からの手紙をつき返したことなどにあらわれています。
今、難民についてはできるだけ受け入れて、人道的な立場で対処するというのが世界の常識です。中国がもし5人を北朝鮮側に引き渡せば厳しい処罰が行われることが予想され取り返しのつかないこととなるとの見解がありますが、それならばなおさら日本政府は「不審者は排除せよ」の対応ではなく、亡命者難民への対応を人道的に取り扱うべきです。
政府の難民に対する姿勢は国連難民高等弁務官事務所から「先進国のなかでも庇護申請の受理数が際立って少ない」と指摘されています。昨年日本では353人の申請に対して難民認定はわずか24人。フランス約5000人、イギリスの1万人の難民認定と比べても大きな開きがあります。日本は亡命者・難民に狭き門ということが知れ渡っているともいえます。今こそ人道的立場にたった外交に切り替えるべきです。
国籍を選ぶ自由、あるいは移動する自由は世界のすべての人の上にあるはずです。よって国会及び政府が、事件の真相を徹底究明して国民の前に明らかにするとともに、政治的亡命や難民に対する人権保護の原則と人道的立場にたった外交を確立するよう求める意見書(案)への県議会として賛同を求めます。
国民の政治不信は頂点に達している
また、元自民党の鈴木宗男衆議院議員は、政府の要職という立場を利用して「北方四島人道支援」事業の問題や、政府の北方領土返還政策を捻じ曲げていた問題にも見られるように、外交も、税金も私物化していました。「ムネオハウス」問題では、受注業者や公設秘書の入札妨害等の容疑による逮捕、鈴木議員の外遊には秘書のように同行し、鈴木議員とは一身胴体といわれている外務省の前国際情報局主任分析官の背任容疑による逮捕など、鈴木議員への疑惑はますます深まり国民の政治不信は頂点に達しているといえます。
朝日新聞社が18、19日の両日実施した電話全国世論調査では、政治不信が高まっていることの第1は「国会が真相を究明しないから」で46%。第2が「国会議員の責任のとり方が十分でないから」が31%。また、国会で疑惑をもたれながら国民への説明が不十分だと思う政治家の1位は鈴木宗男代議士だったということです。
小泉内閣はいっこうに自らの手で真相究明に足を踏み出さないばかりか、鈴木議員の辞職勧告決議案の国会本会議場への上程を3月は自民・公明・保守の与党で、今回5月の上程には自民・保守の2党でそれぞれ反対し否決してしまいました。
政府与党は真相究明どころか疑惑にはフタをし、一方で国民に新たに1兆5,000億円の負担増を押し付ける医療制度の大改悪案、憲法違反の有事法制案の制定を急いでいます。今国会が行うべきことは、国民の政治不信に応え、疑惑の真相を徹底的に明らかにすることです。このことがまず国民に対する国会の責務です。
鈴木議員は謝罪し、議員辞職すべき
鈴木議員は、自らの政治的道義的責任を自覚し、国会と国民に真相を明らかにするとともに、国民に謝罪して議員を辞職すべきです。
よって、神奈川県議会が、国会及び政府に対して、政治に対する国民の信頼を回復し、健全な日本外交推進のために、鈴木宗男衆議院議員への再度の証人喚問等による真相の徹底究明と議員辞職を求める決議(案)を採択するよう皆様の同意を求めまして私の賛成討論を終わります。
このページのトップに戻る
|