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県議会での取り組み2002年2月議会>かわの幸司議員の新年度議案に対する反対討論
県議会での取り組み

2002年2月定例会(3月25日 本会議)

かわの幸司議員の新年度議案に対する反対討論

 私は、日本共産党県会議員団を代表し、定県第1号議案ほか17の議案ならびに請願第83号-1ほか3つの請願にたいする所管常任委員会の審査結果に反対の討論をおこないます。

県民の願いに応えていない予算案

 まず第1は、定県第1号議案、平成14年度神奈川県一般会計予算についてです。
 小泉内閣による構造改革は、国民に耐えがたい激痛をもたらし、過去最悪水準の完全失業率、中小企業の倒産の増加など、国民の暮らしと日本経済をめぐる状況はかつてない深刻な事態となっています。こうした時だからこそ、県が県民の暮らし、福祉、医療、教育を守る施策に積極的に取り組むことが強く求められていますが、1兆5,806億円の新年度予算案は、県民の願いに積極的に応えるものとはなっていません。緊急課題となっている雇用対策は、国が決めた緊急地域雇用創出特別対策事業費が予算の大きな割合を占め、県単独事業はほんのわずかとなっています。福祉関係の義務的経費は、児童扶養手当の県負担分が52億円減り、一方、他の義務的経費は60億円増えることとなり、この結果、本来なら増えなければならない民生費ですが、逆に今年度比99.9%と減額、寝たきり老人見舞金などを廃止し、重度障害者医療費給付の県補助率を引き下げ、新たに6億9,300万円も市町村負担を増やしています。そして、全国最低の水準となっている小児医療助成の対象年齢の引き上げにも取り組むものとはなっていません。
 さらに、全国では16県で基準を決め少人数学級に取り組み始め、教育効果が上がっているのに、県は「少人数学級は効果があるかどうか分からない」との議会答弁、子どもたちに冷たい姿勢だといわなければなりません。

 その一方で、減額したとはいえ土木、農林水産関連の公共事業費は1,438億円、この中で土木・公共事業費は1,272億円で、今年度と比較して85.5%となっていますが、国の第2次補正による2月補正分の139億円を加えると実質的には94.9%となり、依然として高い水準になっています。公営住宅の建設、生活道路の整備など県民生活に密着した公共事業は当然必要ですが、毎年、繰越明許と事故繰越は合わせて400億円を超えてだしており、その理由が「関係機関との調整や地元との調整に日時を要した」などに見られるように、事業の見通しが十分たっていない中での予算化であることを示しています。公共事業の事業量の適正化、縮減に取り組むべきです。

県債発行残高を減らすためには土木債の発行抑制が不可欠

 また、県債発行額を抑制する県の方針、財政健全化との関連からも土木・公共事業を見直すことが必要です。土木関連の公共事業は、毎年多額の土木債を発行し、2兆4,330億円の県債発行残高の
62.7%にあたる1兆5,254億円が土木債となっています。しかも、県債発行残高に占める土木債の割合は、91年度に49.8%であったものが年々あがり、来年度は62.7%と過去最高となります。土木債の発行抑制がなければ県債発行残高を減らすことは不可能であり、この点からも土木・公共事業の削減が必要です。

自動車専用道路整備等に関する予算の徹底的な見直しを

 とりわけ自動車専用道路整備費77億円は当面凍結し、インターチェンジ関連接続道路整備費65億円については見直しをすべきです。現在、事業にとりかかっている県内の自動車専用道路は143`b、総事業費は3兆6,184億円となっています。このうち、日本道路公団が全額負担する「第二東名」の事業費を除く2兆6,854億円については、国直轄事業負担金や首都高速道路公団への出資金として県としても大きな財政負担を強いられることとなります。また、日本道路公団のプール制による高速道路建設は、年々事業内容が悪化し、この上に約10兆円かかる「第二東名」がそれに拍車をかけると指摘されていますし、「東京湾アクアライン」や「新湘南バイパス」、「小田原・厚木道路」などの一般有料道路、県道路公社の「三浦縦貫道路」の経営も大変厳しい状況となっています。その要因は、当初の交通量に比較して実績交通量が少ないためですが、「新湘南バイパス」の交通量は計画交通量の28.7%、「三浦縦貫道路」は42.3%となっています。 高速道路や一般有料道路の建設は、交通量が将来的にも伸び続けるとの想定のもとですすめられてきましたが、国土交通省の調査によれば、1999年の高速道路の貨物量は97年と比較して7%も減少、1971年の調査以来初めてマイナスとなっています。また同じ調査で、神奈川県内の自動車専用道路の交通量も、比較できる調査地点30カ所のうち24カ所、80%で自動車交通量が減少しています。こうした交通量の現状、経営における採算上の問題、自動車交通の環境への影響などを考えれば、「第二東名」など自動車専用道路の整備については、国や日本道路公団にたいして見直しを求めるべきであり、当面、自動車専用道路整備費は凍結すべきです。
 また農林水産関連の公共事業費は140億円で、農林水産業費の70.4%も占めていますが、農業振興とはほど遠い一般道路化した広域農道などは徹底した見直しをすべきです。

「ツインシティ計画」案は凍結し、見直すべき

 次に「ツインシティ計画」についてです。
 新年度は7名の人員を配置して本格的なとり組みを始めるとしています。しかし、もともとこの計画は、新幹線新駅が誘致できることを前提とした計画でした。ところが現在の計画案は発想が逆転し、新幹線新駅誘致が可能となるまちづくり先行となっています。しかし、この計画が実現可能なのか十分な検討が必要です。2015年に「ツインシティまち開」きとしていますが、このまちづくりにむけての面整備は、新幹線新駅ができていない状況のもとですすめるわけですから、呼び込み方式の事業となります。県内でも、この呼び込み方式は多くで破綻し、例えば、県企業庁がおこなった「南足柄東部工業団地」は、当初95年度までに
100%分譲の予定が、6年たった現在も61.7%の分譲率にとどまっています。経済成長が停滞し、また、県内企業の県外・海外進出が依然としてつづく中で、呼び込み方式での面整備はリスクを伴うもので、経済の動向、新幹線新駅誘致の可能性も十分検討したうえでの計画にすべきであり、現在の「ツインシティ計画」案は凍結し、見直しすべきです。

住民合意のない芦名産業廃棄物最終処分場建設関連予算は削除すべき

 「芦名産業廃棄物最終処分場建設」については、新年度予算で、建設事業費に12億6,200万円、建設推進費に8,334万円計上し、建設の促進を図ろうとしています。この「芦名産業廃棄物最終処分場」は、「民間施設のモデル」とともに、県内で増加する産業廃棄物最終処分量に対応する「緊急補完的処分場」と、二つの建設理由が環境アセスでは示されてきました。しかし、環境アセスで示された最終処分量と現在作成中の「神奈川県廃棄物処理計画案」での最終処分量とは大きな差がでていることが判明しました。調査の方法が変わったためとのことですが、93年の最終処分量は、環境アセスでは419万トンでしたが、「神奈川県廃棄物処理計画案」では247万トンとされ、しかも最終処分量は今後減りつづけるとしています。このことは、緊急補完的処分場としての建設根拠がなくなったことを示しています。またこの建設にたいしては住民合意がされていません。大楠連合自治会からは「白紙撤回」の要望書が県に提出され、また昨年、11月4日には、建設予定地に最も近い芦名町内会臨時総会で、最終処分場建設反対の決議が圧倒的多数で決められました。しかし県は、こうした住民の意思を無視して横須賀市に建設許可申請を提出しましたが、こうした強権的なやり方は容認できません。芦名産業廃棄物最終処分場建設関連の予算は削除すべきです。

公債費に限定した臨時財政対策債の発行は認められない

 第2は、定県第2号議案、神奈川県公債管理特別会計予算についてです。
 地方交付税に代わるものとして措置された臨時財政対策債をこの特別会計で発行していますが、その結果、一般会計での県債発行額は自主財源の
13.7%となりました。もし、一般会計で臨時財政対策債を発行すれば、県債発行額は自主財源の18.6%となり、県債発行率10%の目標から大きくかけ離れることとなり、目標に近づけるためには県債を主な財源としている公共事業を抑制しなければなりません。これを避けるために臨時財政対策債を公債管理特別会計で発行したものと私たちは指摘をしてきました。もともと臨時財政対策債は、福祉、医療、教育の施策充実のために活用できるものであり、公債費に限定したやり方を認めることはできません。

1日最大給水量などのデータのねつ造は県行政としてあってはならない

 第3は、定県第19号議案、神奈川県水道事業会計についてです。
新年度の予算では、水道事業会計の収益的収支は48億9,340万円の欠損となっています。予算ベースで見ると2000年度が8億3,978万円の利益だったものが、2001年につづき2002年度も大幅な欠損となりましたが、その最大の要因は、受水費が2000年度が114億6,080万円であったのが2001年度から大幅に引き上げられ、
2002年度では173億3,155万円となることにあります。日本共産党県議団は、過大な水需要予測のもとですすめられてきた宮ヶ瀬ダム建設を含む相模川水系建設事業は、県営水道の経営を圧迫すると指摘してきましたが、いま、このことが明確になっています。相模川水系建設事業をすすめるための神奈川県内広域水道企業団への5億6,400万円の出資金と15億1,000万円の支出を認めることはできません。
 新年度の水道事業会計が、県営水道の水需要予測や1日最大給水量をもとにすすめられているわけですが、この1日最大給水量が水増しされ、作為的な操作でねつ造されていたことが、この間の日本共産党県議団の議会における質問と独自の調査で明らかになりました。2000年の1日最大給水量は9月27日の127万791トンとされてきました。しかしこの給水量は、この日に実際に使用された水量ではなく、水増しされたもので、寒川浄水場の配水運用管理システムを利用して、給水量をコントロールできる配水池に、この日には使用しない水をため込む操作によるものでした。このことは、配水運用管理システムでコントロールできる配水池の水位が9月27日に異常に上がっている事実が見事に証明しています。日本共産党県議団は、82の配水池の1時間ごとの水位の変化をもとに、9月27日にため込んだ水量を試算し、15万9,418トンであること、この水量がこの日、実際に使用されなかった水量であることを明らかにしました。企業庁自身も13万トンと推計されるとしましたが、これは安定給水のためで作為的な操作ではないとの委員会答弁をくり返しました。しかし、配水池の水位が異常に上がっているのに水量を調整せずに放置していたことを見れば、27日を1日最大給水量にするための作為的な操作であったことは明らかです。わが党の試算では、1999年と2001年の1日最大給水量についても、13万7,678トン、7万4,249トンがそれぞれ水増しされていることが判明しましたが、水道事業をすすめるうえでの基本的なデータをねつ造するやり方は、県行政として絶対あってはならないことです。以上の件も含め水道事業会計の議案に反対です。

問題のあるシステムを維持するために国民の税金が使われる

 第4は、定県第26号議案、住民台帳基本法にもとづき指定情報処理機関が行う国の機関等に対する本人確認情報の提供に係わる手数料に関する条例についてです。
 この法律の一部改訂は、住民票の記載事項として住民票コードを加え、全住民に重複しないようコード番号を割り当てる、そして、この住民票コードも含めた本人確認情報をデータベース化し、市町村だけでなく国や都道府県の行政事務の処理に利用できるようにするものです。
 そもそもこの法律の改定は、個人情報を保護する措置をとっても、それでも極めて不十分だといわなければなりません。現在でも住民票台帳の閲覧制度を利用して不特定多数にダイレクトメールが送られ、多くの人がプライバシーの侵害を感じていますし、市町村の担当者からは、閲覧を公用請求以外は禁止してほしいとの声も出されています。また、史上初めて全国民に共通番号がつけられたことにたいして国民合意がなされていません。さらに、自治大臣が認可した全国ただ一つの指定情報処理機関にオンラインによって本人確認情報が集中することになり、これは21世紀にめざす分権型ではなく情報の一元化だといわなければなりません。
そして、提案されている条例は、指定情報処理機関の本人確認情報の提供にたいしての手数料を決めるものですが、この手数料は、提供した数に応じて国から指定情報処理機関に支払いがされることとなります。このことは問題のあるシステムを維持するために国民の税金が使われることにもなりますので、この議案には反対です。

 最後に請願第89号、有事法制に反対する意見書の採択を求める請願についてです。
 現在、政府は、4月にも有事法制の国会への提出をおこなおうとしています。有事法制は、有事を理由に、アメリカの引き起こす戦争に日本を参加させ、国民を総動員させるものです。しかも政府の案では、従わない国民には罰則を科すことも検討されています。国民の基本的人権を踏みにじるものであり認めることはできません。有事法制に反対するこの請願は採択すべきです。

 以上、主な理由を述べ、定県第1号議案、2号、3号、9号、15号、17号、18号、19号、21号、24号、26号、28号、30号、32号、42号、43号、46号、47号の各議案、ならびに請願第83号-1、84号-1、89号、90号の請願にたいする所管常任委員会の審査結果に反対する私の討論を終わります。