| 2001年12月定例会(12月12日 本会議)
2000年度公営企業決算及び病院事業決算に対する
みやした泉県議の反対討論
私は日本共産党県議団を代表して、平成12年度神奈川県公営企業決算及び神奈川県病院事業決算の認定に反対の討論を行います。
企業団受水の本格化で県民負担は必至
まず、水道事業についてであります。
2000年度も引き続いて21億6,900万円の出資金が企業団に支出されていますが、日本共産党県議団は、総額9,618億円も注ぎ込まれた宮ヶ瀬ダム建設や相模川水系建設事業は、過大な水需要予測のもとにすすめられてきた事を指摘し、事業の見直しと無駄な投資を止めるよう厳しく求めてきたところであります。
2001年度からは企業団からの受水が本格化することによって、受水費が大幅に増加し、水道料金に跳ね返り、水道料金値上げで県民に多大な負担が押し付けられることは必至であります。
給水実績(1日最大給水量)は水増しされていた
ところで、一日最大給水量と過大な水需要予測は、この事業を推進する最大の根拠になっていましたが、決算審査の中で、わが党の調査によって一日最大給水量の水増しの実体が浮き彫りにされました。
2000年9月27日の県水の一日最大給水量が前日の98万9,869トンに比べて28万トンも多い127万791トンと28.5%も多く、とりわけ寒川浄水場からの給水量は35万3,030トンから50万4,950トンと42.9%も多く大量の水が給水されていました。
このことを指摘し、一日最大給水量が、寒川浄水場の配水運用管理システムをつかって人為的に操作されたものだということを問題にしたものであります。
この点について指摘された企業庁は、「前の日が雨で水の使用量が少なく、27日は晴れたため、使用料が増えた」とか「浄水場の水利用については、前の日と当日の天候と曜日を考慮して送水量を決定している」との発言で事態を否定していましたが、前日の26日の降水量は、小田原、藤沢で7mm、伊勢原、海老名で4mm、横浜が1.7mmとわずかであり、給水量に大きな影響を与えるものではありません。
また、独自に水道事業を行っている秦野市が1.7%増、座間市が5.2%増、横浜市が3.3%減となっていることからみても、県営水道だけが28.5%増と異常な増え方をしているのは、配水池の水位調整などによる人為的な操作以外考えられないものであります。
ねつ造された「給水実績」にもとづく過大施設への出資金は認められない
私たちの調査でも、企業団が「稼動テスト」と称して「試験給水」を6回行い、そのうち2回の数値を一日最大給水量の実績値として採用していました。この点について企業庁は、新聞報道で、「配水池の水位調整を見込み違いして水位回復分をカウントしたため」と釈明した上で、今後はテストで実績値とした数値をそのまま予測データの参考にしないと明言したとしています。
これは、給水量は天候などを考慮して決めているとして、給水量の操作を否定した委員会答弁とは明らかに違ったものですが、全体を通して一日最大給水量が、指摘したとおり手を加えたものではないかという問題は、疑う余地がないものといわざるを得ません。
神奈川県広域水道企業団に対する21億6,900万円の出資金の支出とともに過大な水需要予測の基になっていた一日最大給水量が、作られたものであるという事は、企業庁はもとより、県政の重大な問題として、見過ごすことのできないものであり認めることはできません。
土地造成や貸しビル業などは、抜本的な見直しが必要
つぎは公営企業資金等運用事業についてであります。
南足柄東部工業団地の造成事業については、2000年度も売却できない上、この年度に残りを全部売却できたとしても売却損は29億6,900万余円にもなるという計算でありました。
また維持管理費がかさむと同時に企業債利子の負担もあり、一刻も放置出来ないものとして、これ以上赤字を出さないための抜本的な対策がとられなければならないものであります。また、赤字が続いているプロミティあつぎビルとプロミティふちのべビルの貸しビル事業は、事業転換も含め、見直すべきであります。
県立がんセンターの緩和ケア病棟は、必要な設備と医者・看護婦の配置を
次は、神奈川県病院事業会計についてであります。
2000年度は、がんセンター機能の充実と強化を図り、全面オープンした年であります。とりわけ、ICU・HCU病棟、無菌病棟の高度専門医療と終末期医療に対応する緩和ケア病棟の緊急整備でありました。
しかし、緩和ケア病棟は、常勤医師の配置がなされないなど、緩和ケア「対応」病棟として出発せざるを得ませんでしたが、問題は、緩和ケア対応病棟のため、必要な医師が配置されないことや終末期医療の必要な患者が重症患者と同じ病棟であったり、家族の控室や専用の台所も無いなど、施設基準が満たされず、県民から求められているものとかけ離れており、本来の機能の充実強化とはいえない実態でありました。
さらに問題なのは、看護婦体制です。新たな病棟をオープンさせる以上、その病棟の機能が発揮できるようなローテーションが組める看護婦の増員が必要でありました。がんセンターでは、新しくオープンしたA9棟とA10棟に配置した看護婦が42人でしたから、少なくとも42人は純粋に増員する必要がありました。
しかし、実際に増員した看護婦は29人でした。このため、既存の病棟から看護婦を移動させ、新しい病棟などへまわすことになりました。
その結果、これまで準夜勤3人で体制を組み2人は点滴対応、残り一人がナースコールやがん患者のメンタルケアにあたってきたものが、準夜勤が1人削られたことで、たとえばB6病棟では看護婦1人あたりのケアをしなければならない患者数が14人から18人に増え、ナースコールやメンタルケアーに対応しきれない実態となっていることが私たちの調査でわかりました。さらに、看護婦の月9回夜勤も、勤務表をつくる段階で、すでに前年より9回以上の人が増える事態になっていました。
新たな機能を発揮させるためには、充分な看護体制をはじめとした必要な職員配置は絶対条件であります。そのことこそ、ニアミスといわれる医療ミス寸前の状況を予防するための条件でもあります。 県民が求める医療に充分応えるために、施設整備面で新たな機能拡充を図ったとしても、「行政システム改革」の名のもとに、本来の機能を発揮させるために必要な職員配置を抑制するようなやり方は、公的医療機関の役割を弱めることになるといわざるを得ません。
以上、主な理由を述べ、平成12年度神奈川県公営企業決算及び神奈川県病院事業決算の認定に反対し、私の討論を終わります。 |