| 2001年2月定例会(2月26日 本会議)
99年度一般会計及び特別会計歳入歳出決算に対する
みわ智恵美県議の反対討論
私は日本共産党県議団を代表し、認第2号、平成11年度神奈川県一般会計歳入歳出決算及び同年度神奈川県特別会計歳入歳出決算の認定に反対の討論を行います。
財政危機の大きな要因である公共事業の見直しは不十分
まず第1に一般会計についてです。
99年度は、県税収入の大きな落ち込みにみられるように、依然として深刻な不況が続き、完全失業率も4.7%と雇用不安も一段と高まっていました。また、同年度は「財政非常事態宣言」発表直後で、知事は「財政再建団体への転落を回避するため、全庁あげて取り組む」と述べ、財政再建に取り組む年度とされていました。ですから県行財政、歳入・歳出のあり方は、財政の健全化に努めながら、県民のくらしを応援するべく、福祉、医療、教育の充実と中小企業対策の強化を図るなど、抜本的に見直すことが求められていました。
ところが99年度の歳出では、全体の歳出規模が前年度にくらべ0.13%削減されていますが、民生費については老人保健医療費負担金などの当然増があるにもかかわらず、1.6%も減額され、教育費も2.5%もの減額と、県民のくらしに冷たいものとなりました。
さらに中小企業の仕事確保など、県として中小企業対策を強めなければならないのに、県の中小企業発注率は、金額で98年度を4.3%も下回るものとなっています。
その一方で、県財政危機の大きな要因となっている公共事業のあり方は、抜本的な見直しがされたとは言えません。
土木費は2,237億円と前年度に比べて減額されたとは言え、依然として高い水準となっています。そして、三浦縦貫道路、さがみ縦貫道路、246バイパスなどの自動車専用道路事業費は、前年度に比べて34億3,800万円も増え、133億7,500万円と異常に突出したものとなっています。
この中で三浦縦貫道路事業は2000年3月に開通しましたが、12月までの交通量が当初計画量の38.3%にとどまり、返済計画が予定通りいくのか危ぶまれる状況で、しかもこの事業の中小企業発注率が金額で20%にとどまったことは、自動車専用道路事業が中小企業の仕事確保と結びついていないことも示しています。
財政健全化の指針では、2007年には県債発行を自主財源の10%にするとしていますが、99年度の県債発行額は1,853億円で自主財源の18.4%と高い水準を維持しています。この中で土木債は1,350億円で県債全体の72.9%を占めており、この比率は
90年度代で最高です。この結果、県債発行残高は
2兆1,567億円にもなり、県民に後年度負担となって重くのしかかり、県財政を圧迫していますが、今後、毎年県債発行額を800億円に抑えても県債発行残高が減額の方向に向かうのは、2019年になると言う深刻な事態で、財政硬直化を一層進行させるものとなっています。
これに加えて99年度は、一時しのぎの財政確保策として「リースバック方式」が取り入れられたため実際の後年度負担はさらに増えました。
このような行財政のあり方、歳入・歳出のあり方は根本的に見直すべきであり、認めるわけには行きません。
福祉に最重点的な配慮されていない
第2に福祉の問題です。
知事は「福祉は最重点的な配慮をした」としていました。しかし、民生費は98年度に比べて、99年度は23億4,300万円も減額となりました。この結果、介護の問題では99年度は高齢者保健福祉計画最終年度で、特別養護老人ホームが圧倒的に不足している実態からみても、改善のために努力をするべきであったのに、反対に「老人福祉施設整備費補助」を削減しました。
そのために、介護保険料を支払っていても、特別養護老人ホームに入れない待機者数を増大させ、昨年10月には前年度6,531名であった待機者が、8,338名に大幅に増えた事が明らかになりました。
施設整備を怠たり保険あって介護なしの事態を一層進めてしまった県の責任は重大です。
また、神奈川県知的障害者施設協会からは、民間社会福祉事業振興費等が削減されれば、ベテラン職員や、常勤職員を減らさざるを得ないとの懸念が出されていましたが、実際に民振費等が大幅に削減されたため、職員の削減や職員の過重負担がおきて入所者や利用者の処遇に大きな影響が出てしまったことは問題です。
私立学校経常費補助の削減で、高校の一人あたりの単価は全国最下位に
第3に私立学校経常費補助については、99年度決算でみますと、前年度より38億5,204万円も減額になっています。高等学校の経常費補助金は一人あたりで、国基準単価を18,040円も下回り全国最下位でした。
神奈川県では高校生全体の3分の1以上が私立高校に通っています。99年度は、私立の入学金が公立の35.4倍、初年度納付金が7倍と前年度より較差が開き、保護者にとって負担が拡大しており、これでは、公立と私立の保護者負担格差解消への努力が図られているとは言えません。また、私立幼稚園への県補助単価も全国最下位でした。
「かながわ新総21」の重点政策課題には、「子どもが育ち、子どもを育てる環境の整備を通じて、子育てを社会全体で支え、子どもを生み育てることに夢を持てる社会づくりをすすめます。」としています。リストラ、減収、不況で苦しみながらも、子どもの教育だけはなんとしてもと、必死で頑張っている県民からは、私学助成充実を願う請願署名が今年は90万筆近く議会にも寄せられているではありませんか。子育て世代を応援するためにも私学助成の拡充をすすめるべきであるのに、削減した事は認められません。
教育環境整備費の削減は認められない
第4に学校の施設の整備の問題では、県立高校の教育施設維持修繕費は、前年度比32%も減額されました。この事業は今年は民間への委託に切り替えられていますが、10月の時点ですでに予算の8割を超えて執行されてしまいました。決算の年度に大幅削減された中で、本年度は修繕が殺到したのではないでしょうか。
99年3月、日本共産党は、県立高校の施設・校舎の老朽化対策を求める申し入れを行いましたが、「トイレの悪臭が授業の妨げになっている」、「耐震診断を実施してほしい」、などの老朽化に対する要望が多く出されていたからです。このような状況にもかかわらず、老朽化や、地震対策、施設の改善にかかわる教育環境整備の額が、8億3,700万円もの削減となっているのは問題です。
子どもたちが安全で快適に学校生活を送ることができるようにする事が県の役割ですから、このような決算を認めることはできません。
財政危機を県民犠牲で乗り切ろうとすることは認められない
ところで、99年度の実質収支額は95億円余の赤字となり、2年連続の赤字決算とされています。しかし、年度末の補正予算において、次年度の財源確保策として100億円を県債管理基金に積み増ししているわけですから、実際は、黒字と見ることができます。しかも、その100億円は、次年度である本年度に取り崩してはいないのです。
これでは、言ってみれば、帳簿上のやりくりで無理やり多額の赤字をつくり、2年連続の赤字決算だから、県財政は深刻な状況にある、だから「さらに県政リストラに取り組み、県民に我慢をしてもらわなければならない」という口実に使うためであったといわざるを得ません。結局、財政の危機を県民犠牲で乗り切ろうとするもので、到底認めることはできません。
看護婦の夜勤回数の悪化は問題
最後に特別会計のこども医療センターの問題についてです。
こども医療センターの看護体制をみますと、看護婦の夜勤月9回以上の予定者が98年度は平均30名、99年度は53名と大幅に増加しています。
国が医療の充実をはかるためにと決めた基準に達していないことは、大変問題です。しかも、小児医療が、治療しながらもう一方で十分に遊ばせ、愛情をかけ、教育をし、成長を促していく事が必要である点からみて、成人と比べても手厚い看護体制が必要であり、看護体制が整っている事は大前提であるにもかかわらず、看護婦の夜勤回数が悪化したということはさらに問題です。
また、この状況は県のすすめている、高度小児専門医療の充実に反するものであり、このような決算は認めることができません。
以上主な理由を述べ、平成11年度神奈川県一般会計歳入歳出決算及び同年度神奈川県特別会計歳入歳出決算の認定に反対します。
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